セッション情報 | 一般演題 |
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タイトル | 236:小腸狭窄をきたした虚血性小腸炎の1例 |
演者 | 永田 優子(九州大学大学院 病態機能内科学) |
共同演者 | 松本 主之(九州大学大学院 病態機能内科学), 矢田 親一郎(九州大学大学院 病態機能内科学), 平野 敦士(九州大学大学院 病態機能内科学), 小川 紘太郎(九州大学大学院 病態機能内科学), 古賀 秀樹(九州大学大学院 病態機能内科学), 江崎 幹宏(九州大学大学院 病態機能内科学), 城 由起彦(九州大学大学院 病態機能内科学), 植木 隆(九州大学大学院腫瘍外科学), 壬生 隆一(九州大学大学院腫瘍外科学), 具嶋 正樹(九州大学大学院形態機能病理学), 八尾 隆史(九州大学大学院形態機能病理学), 飯田 三雄(九州大学大学院 病態機能内科学) |
抄録 | 症例は43歳女性。平成18年9月上旬より便秘、下腹部痛が出現し、近医受診。血液検査にてHb 4.9g/dlと著明な貧血、CRP 24.00mg/dlと炎症反応を認めたが、腹部X-P、腹部エコー検査で異常なく、絶食、抗生剤投与、鉄剤投与により経過観察。貧血、炎症反応の改善を認め、9月21日退院となった。しかし、退院後も腹痛が持続したため、前医へ紹介入院。上部消化管、大腸内視鏡検査では明らかな異常を認めなかったが、経口小腸造影検査で上部空腸にひだの腫大と全周性の粘膜欠損像を認めた。また、腹部CTで上腸間膜静脈から門脈にかけての血栓を認めたため、10月11日に当科転院となった。経口的ダブルバルーン小腸内視鏡検査では、前医での経口小腸造影で認めた粘膜欠損像として認められた上部空腸に全周性の潰瘍を認め、同部で狭窄を来たしていた。10月27日のゾンデ法小腸造影検査では上部空腸にくちばし状の狭窄を認め、その肛門側は全周性に狭窄しており一部タッシェ状の飛び出しが認められ、バリウムは肛門側にはほとんど流出しなかった。ダブルバルーン小腸内視鏡の生検にて炎症細胞の浸潤のみで限局性の虚血性小腸炎と診断。小腸狭窄によるイレウス症状を来たし、摂食困難となったため、当院第一外科にて11月15日空腸部分切除術を施行。切除標本の病理検査では限局性の虚血性小腸炎に合致する所見であった。虚血性小腸炎は比較的まれな疾患であり、今回われわれは虚血性小腸炎による小腸狭窄をきたした一例を経験したので、若干の文献的考察を加え報告する。 |
索引用語 | 小腸狭窄, 虚血性小腸炎 |