セッション情報 |
一般演題
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タイトル |
259:PEG-IFN/Ribavirin併用療法中甲状腺機能亢進症を来したが治療継続しSVRが得られた1b型高ウィルスC型慢性肝炎の1例
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演者 |
呉 建(霧島市立医師会医療センター 消化器内科) |
共同演者 |
山崎 成博(霧島市立医師会医療センター 消化器内科), 的場 康平(霧島市立医師会医療センター 消化器内科), 古園 巳俊(霧島市立医師会医療センター 消化器内科), 三阪 高春(霧島市立医師会医療センター 消化器内科), 重田 浩一朗(霧島市立医師会医療センター 消化器内科), 藤崎 邦夫(霧島市立医師会医療センター 消化器内科) |
抄録 |
インターフェロン療法中には甲状腺機能異常を併発し、治療中止を余儀なくされる症例もあることより、標準的治療期間が48週間と長期のペグインターフェロン+リバビリン(PEG-IFN/RBV)併用療法時においては甲状腺機能異常の出現には注意を払う必要がある。今回、我々は1b型高ウィルス量のC型慢性肝炎の症例で甲状腺機能亢進症を来したが、抗甲状腺剤を併用しながら無事治療終了。終了後24週のHCV-RNA陰性化が得られSVRと判定した1例を経験したので報告する。【症例】患者は69歳男性。1980年頃肝機能障害を指摘されている。1994年には検診でC型肝炎を指摘され、近医に定期的に通院していた。2000年9月には精査のため当科受診。1b型高ウィルス量のC型慢性肝炎と診断し、以後外来にて経過観察を行なっていた。肝機能検査の異常はその後も持続するため、高齢ではあるが、治療について説明していたところ、PEG-IFN/RBV療法を了解され、8月1日肝生検及び治療の目的で入院となる。8月2日肝生検施行しCAHの診断。治療直前の検査ではAST45,ALT68,HCV-RNA740KIU/ml。甲状腺ホルモン及び甲状腺自己抗体には異常を認めなかった。8月3日よりPEG-IFN 100μg週1回、RBV 800mgmg/日の投与にて併用療法開始。2週間の初期治療後退院し外来治療継続とした。外来治療の際にはALTは正常化し、HCV-RNAは6週目には定量感度以下、8週目定性陰性と抗ウィルス効果は良好であった。以後、用量も変更なく治療を継続したが、28週目に発汗、動悸などの症状出現。甲状腺機能を検査したところ、FT3 13.6pg/ml, FT4 5.61ng/dl, TSH 0.01 μU/mlと甲状腺機能亢進の所見がみられた。治療効果良好のため、患者も治療継続を希望され抗甲状腺剤を併用しながら治療継続。2006年7月5日48週となり治療終了した。その後、24週間の観察でALT正常、HCV-RNA陰性持続しており、SVRと判定した。【まとめ】本症例は甲状腺機能亢進症を来したものの、抗甲状腺剤を併用することで安全に治療遂行可能であった。さらに、本療法における甲状腺機能異常出現について考察を加え報告する。 |
索引用語 |
C型慢性肝炎, 甲状腺機能亢進症 |