セッション情報 一般演題

タイトル 119:

超音波内視鏡ガイド下穿刺吸引法による消化管間葉系腫瘍の免疫組織学的解析

演者 赤星 和也(麻生飯塚病院 消化器内科)
共同演者 隅田 頼信(麻生飯塚病院 消化器内科), 松井 謙明(麻生飯塚病院 消化器内科), 久保川 賢(麻生飯塚病院 消化器内科), 本村 廉明(麻生飯塚病院 消化器内科), 本田 邦臣(麻生飯塚病院 消化器内科), 遠藤 伸悟(麻生飯塚病院 消化器内科), 大内 二郎(麻生飯塚病院 消化器内科), 樋口 奈緒美(麻生飯塚病院 消化器内科), 多喜 研太郎(麻生飯塚病院 消化器内科), 平野 達雄(センタービルクリニック), 前川 隆一郎(社会保険田川病院 内科)
抄録 【目的】超音波内視鏡ガイド下穿刺吸引法(EUS-FNA)は消化管間葉系腫瘍(GIMT)の診断に有用な検査法である。そこでGIMTの術前診断におけるEUS-FNAの免疫組織学的表現型診断能を検討した。【方法】2002年9月から2007年1月までに、当科のconventionalEUSにてGIMTと診断され、鑑別診断のため術前にEUS-FNAによる免疫組織学的解析を施行し、外科切除を行った41例(男13例、女28例、平均年齢65歳)を対象とした。超音波内視鏡はフジノン東芝社製PEF-708FAまたはEG-530UTで、穿刺針はオリンパス社製NA11J-KB、22Gを使用した。検体採取後直ちに細胞診スクリーナーにより迅速染色法であるメイ・ギムザ染色を施行し、評価可能と判断した上で穿刺を終了した。全検体に対しHE染色及び免疫組織学的検討(c-kit,CD34,αSMA,S-100)を行った。EUS-FNAB所見と術後病理組織所見を対比しのEUS-FNAの免疫組織学的診断能を検討した。【成績】病変存在部位は食道2例,胃37例,十二指腸1例,直腸1例であった。最終診断の内訳はGIST37例、神経鞘腫3例、平滑筋腫1例であった。安全な穿刺経路が得られず穿刺を中止した3例を除いた38例でのEUS-FNAの適正検体採取率は全体で95%(36/38)であった。EUS-FNAによる各免疫組織学的マーカーの診断能(感度、特異度、正診率)は、c-kit(97%, 60%, 92%),CD34(100%, 100%, 100%), αSMA(33%, 93%, 83%),S-100(75%, 94%, 92%)であった。外科切除例における GIST or notの鑑別診断能は正診率97%(35/36)であった。偶発症は出血を一例(2%)に認めた。【結論】EUS-FNAは消化管間葉系腫瘍の術前免疫組織学的診断を安全かつ正確に行える検査法であり、GIMTの鑑別診断、治療法の選択に極めて有用な役割を果たすものと考えられる。
索引用語 EUS-FNA, GIMT