セッション情報 一般演題

タイトル 120:

診断に腹部血管造影が有用であったGISTの1例

演者 小川 和広(佐世保中央病院)
共同演者 松村 雅人(佐世保中央病院), 梶原 啓司(佐世保中央病院), 蒲原 涼太郎(佐世保中央病院), 郡司掛 悠(佐世保中央病院), 草場 麻里子(佐世保中央病院), 堀上 謙作(佐世保中央病院), 米満 伸久(佐世保中央病院)
抄録 症例は44歳男性、生来健康であった。平成17年12月の健診胃透視で胃体部小弯の隆起性病変を疑われたが放置していた。平成18年11月に当院健診を受診し上部消化管内視鏡にて胃体部小弯に広範な壁外圧排を指摘された。腹部単純CTでは肝左葉下面と胃小弯側の間に長径11cmの内部は均一でやや低濃度な腫瘤性病変を認め、造影CTでは内部が不均一に描出された。胃壁由来のGIST(Gastrointestinal stromal tumor)が最も疑われたが径が大きく肝左葉の変形も伴っていたため原発の診断は困難であった。腹部MRIでは内部が不均一な高信号を呈しておりGISTに矛盾しない所見であったが胃との連続性をはっきりと指摘できなかった。そこで腹部血管造影を施行したところ主に左胃動脈と一部右胃動脈より血流を受けており胃原発のGISTと診断できた。平成19年1月に胃部分切除術を施行し切除標本は胃小弯に連続した表面平滑な被膜に覆われた腫瘍で、割面は白色充実様であった。病理組織学的には胃壁の固有筋層から連続して紡錘型細胞がinterlacing patternや一部渦巻き状のパターンを示して増殖していた。核分裂像が多く壊死も認められ、免疫組織学的にはCD34陽性、c-kit陽性で悪性のGISTの所見であった。病変が大きく原発臓器の診断に腹部血管造影が有用であったGISTの1例を経験したので若干の文献的考察を加え報告する。
索引用語 GIST, 腹部血管造影