セッション情報 シンポジウム1

タイトル S1-04:

Sonazoid造影エコー法による肝腫瘍の診断・治療の現状

演者 小野 尚文(ロコメディカル)
共同演者 中下 俊哉(ロコメディカル), 大座 紀子(ロコメディカル), 黒木 茂高(ロコメディカル), 江口 尚久(ロコメディカル), 佐田 通夫(久留米大学内科学講座 消化器内科), 江口 有一郎(佐賀大学内科), 水田 敏彦(佐賀大学内科)
抄録 (はじめに)次世代経静脈性超音波造影剤であるSonazoidが臨床使用可能となり、造影エコー法も新たな段階を迎えた。そこで現在行っている肝腫瘍に対するSonazoid造影エコー法の診断の現状を中心に述べる。(対象および方法)対象は肝腫瘍28症例(肝細胞癌21例、胆管細胞癌3例、肝血管腫2例、膵癌肝転移2例)である。使用装置はLOGIQ7で、撮影モードは (1) 8例はPI(Phase Inversion)法でMechanical Index(以下MI)値は0.4に設定。(2) 20例はCPI(Coded Phase Inversion)でMI値は0.3~0.5に設定しDual Viewを用いた。造影エコーの方法は、Sonazoid注入後の約1分間の血管イメージを連続送信で観察(MI値0.5では間歇送信も併用)し、ビデオまたはハードディスクに保存したRaw Dataにて、血管イメージの肝腫瘍の血流を評価した。(結果)(1) Phase Inversion法肝細胞癌の5例全例に腫瘍血流が認められた。胆管細胞癌1例及び転移性肝癌2例でも腫瘍血流が明瞭に描出された。(2) Coded Phase Inversion肝細胞癌の全16例に腫瘍血管が、14 例に染影像が明瞭に描出された。また胆管細胞癌2例中1例も同様であった。肝血管腫2例は辺縁部の染影像が描出された。またRaw Dataによる画像再構成像(contrast像、Angio像、hybrid Angio像やCine Capture像)にて観察するとより明瞭に染影過程や染影像が描出された。(考察および結語)今回Sonazoid造影エコー法で用いたCPI法は、保存したRaw Dataからの評価のため、ゲインやDynamic Range、TGCが調節だけでなく、Contrast像、Angio像やCine Capture像などで画像を再構成できるため、より詳細な評価が可能で診断に有用であった。治療への応用として、Sonazoid造影エコー法下のRFAを試みている。安全に行うにはmonitor画像のいっそうの明瞭化(base line imageを明瞭化)が重要であり、今後の改良が待たれる。現在、様々な装置も用いて各施設で試されており、今後Sonazoidに適した造影手法および治療法の至適条件の設定が待たれる。
索引用語 肝腫瘍, 造影エコー