セッション情報 | パネルディスカッション1 |
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タイトル | 181:分枝型膵管内乳頭粘液性腫瘍11切除例の病理学的検討 |
演者 | 草野 弘宣(久留米大学病院 病院病理部) |
共同演者 | 内藤 嘉紀(久留米大学 医学部 病理学), 入江 準二(長崎市立市民病院 病理科), 有川 俊二(久留米大学 医学部 放射線科), 岡部 義信(久留米大学 医学部 消化器内科), 木下 壽文(久留米大学 医学部 外科), 鹿毛 政義(久留米大学病院 病院病理部) |
抄録 | 【背景】分枝型の膵管内乳頭粘液性腫瘍(Intraductal papillary mucinous neoplasm;以下IPMN)は、一般的に主膵管型IPMNとくらべ悪性度が低いことが知られている。そのため全例が手術適応とさる主膵管型IPMNとくらべ、分枝型IPMNではその手術適応が問題となる場合が多い。今回我々は、分枝型IPMNの11切除例について病理学的検討を行なったので報告する。 【対象と方法】当院および長崎市立市民病院で1995年から2006年の間、分枝型IPMNと診断された11切除例(平均嚢胞径;36.5mm、男女比8:3、平均年齢69歳、うち長崎市立市民病院より4切除例)を対象として、組織学的悪性度・腫瘍の粘液発現態度について病理組織学的検索を行った。悪性度はcarcinoma, borderline atypia, adenomaに分類し、粘液発現態度はMUC1,MUC2,MUC5AC染色を用いて評価した。 【結果】組織学的悪性度は、carcinoma 2症例(2/11)、borderline atypia 2症例(2/11)、adenoma 7症例(7/11)であった。MUC染色ではMUC1+/MUC2-;2症例(2/11)、MUC1-/MUC2+;4症例(4/11)、MUC1-/MUC2-;5症例(5/11)であった。なおMUC5AC染色は1例を除き全症例で陽性であった。 【結論】今回の検討では分枝型IPMNでは7症例(7/11)がadenomaであった。これらの症例の中には嚢胞径30mm以上で手術適応となったもののadenomaであった症例や、対照的に嚢胞径30mm以下ながらIPMN由来浸潤癌の症例が2例見られた。今後さらに手術症例を蓄積することでより厳密な手術適応の決定が可能になるものと思われる。 |
索引用語 | IPMN, 病理 |