セッション情報 一般演題

タイトル 56:

内視鏡的膵管ステント留置が著効した膵管狭窄を伴う慢性膵炎の一例

演者 坂口 将文(天草市立河浦病院 内科)
共同演者 吉永 秀哉(熊本赤十字病院 消化器科), 北田 英貴(熊本赤十字病院 消化器科), 竹熊 与志(熊本赤十字病院 消化器科), 川口 哲(熊本赤十字病院 消化器科), 一二三 倫郎(熊本赤十字病院 消化器科)
抄録 症例は49歳男性。2004年アルコールによる急性膵炎発症。その後禁酒するも急性膵炎を度々発症し、2006年のERCPにて膵管の不整拡張を認め、慢性膵炎と診断。その後も慢性膵炎急性増悪で入退院を繰り返していた。2006年10月に2回慢性膵炎急性増悪にて入院、その退院3日後より再び嘔気、食欲不振、腹部膨満、心窩部痛が出現し、当院救急外来受診した。アミラーゼ高値・CT上膵周囲の脂肪織濃度上昇認めたため、慢性膵炎急性増悪の診断で入院となった。MRCPでは膵頭部に仮性膵嚢胞を認め、膵体部に膵管狭窄が認められた。入院後絶食にて保存的に治療行ったところ、症状・検査所見ともに改善認め食事を開始。しかし食事摂取を開始するたびに、症状増悪を繰り返した。第40病日にERCP施行したところ膵体部に1.5cmほどの膵管狭窄認め、5Fr 8cmの膵管ステントを留置した。その後食事開始後も症状出現せず、第58病日退院となった。退院後、慢性膵炎の増悪はみられず、ステント留置後から現在までの3ヶ月間、経過良好である。今回の症例のように、膵管狭窄を伴った急性増悪を繰り返す慢性膵炎に対し、内視鏡的膵管ステント留置が有効であると考え、若干の文献的考察を加え報告する。
索引用語 慢性膵炎, 膵管ステント