セッション情報 一般演題

タイトル 20:

日本のAverage risk群におけるAdvanced neoplasiaの中のLSTの重要性

演者 加来 英典(服部胃腸科)
共同演者 尾田 恭(服部胃腸科), 後藤 英世(服部胃腸科), 田中 朋史(服部胃腸科), 蓮田 究(服部胃腸科), 安永 真(服部胃腸科), 服部 正裕(服部胃腸科), 佐々木 裕(熊本大学 医学部 消化器内科)
抄録 【目的】LST(Laterally spreading tumor)は側方に発育をする10mm以上の平坦な腫瘍であり、LST-G typeとLST-NG typeに分類される。LSTは平坦であるため(特にLST-NG type)、大腸内視鏡でも発見するのは難しく、欧米ではあまり発見されていない。そのため、欧米においてその重要性が認知されていないのが現状である。しかし、LSTはその大きさの定義からAdvnaced neoplasiaに含まれ、重要な病変と考えられる。今回我々はLSTの重要性を評価するため、Average risk群においてAdvanced neoplasiaの中にLSTがどれほどの割合を占めるかを調べた。
【方法】対象者は2002年4月より2006年9月までの期間に当院で初めて全大腸内視鏡検査を受けた10766人であった。Average risk群に相似するように、他院治療紹介、大腸癌術後、UC、Crohn病、FAP、HNPCCの人々を対象から除外した。対象者に発見された病変のうちAdvanced neoplasiaを抽出し、Advanced neoplasiaの発見頻度とその中のLSTの割合を求めた。Advanced neoplasiaの定義は、10mm以上のadenoma、severe atypiaのadenoma、villous adenoma、cancerとした。
【成績】対象者のうち、640人(787病変)にAdvanced neoplasiaが発見された。LSTは107人(115病変)に発見された。(LST-G type 55病変、LST-NG type 60病変)その対象群の中でのAdvanced neoplasia の発見頻度は5.9%であり、進行大腸癌139病変を除いたAdvanced neoplasia 648病変の中でのLSTの割合は17.7%であった。
【結論】LSTは発見が困難にも関わらずAdvanced neoplasia の中でかなりの割合を占め、やはり重要な病変と思われた。そのため、大腸癌の戦略としてLSTの存在を考える必要があると考えられた。
索引用語 LST, Advanced neoplasia