セッション情報 一般演題

タイトル 18:

日本のAverage risk群におけるAdvanced neoplasiaの発見頻度

演者 加来 英典(服部胃腸科)
共同演者 尾田 恭(服部胃腸科), 後藤 英世(服部胃腸科), 田中 朋史(服部胃腸科), 蓮田 究(服部胃腸科), 安永 真(服部胃腸科), 服部 正裕(服部胃腸科), 佐々木 裕(熊本大学 医学部 消化器内科)
抄録 【目的】Advanced neoplasia は大腸の10mm以上のadenoma、severe atypiaのadenoma、villous adenoma、cancerと定義され、治療すべき大腸病変として欧米で注目されている。日本でも大腸癌の罹患率は確実に増加してきているため、大腸癌死の予防のためAdvanced neoplasiaを発見し、治療することが重要である。そのため、今回我々は日本のAverage risk群においてAdvanced neoplasiaがどれくらいの頻度で発見されるかを調べた。
【方法】対象者は2002年4月より2006年9月までの期間に当院で初めて全大腸内視鏡検査を受けた10766人であった。(男性4983人、女性5783人)Average risk群に相似するように、他院治療紹介、大腸癌術後、UC、Crohn病、FAP、HNPCCの人々を対象から除外した。対象者に発見された病変のうちAdvanced neoplasiaを拾い上げ、Advanced neoplasiaの発見頻度を男女別と年齢別に求めた。
【成績】対象者のうち、640人(男性382人、女性258人)に787病変(男性502病変、女性285病変)のAdvanced neoplasiaが発見された。対象者全体でのAdvanced neoplasiaの発見率は5.9%、男性では7.7%、女性では4.5%であった。年齢別の発見率は、20代 0.2%、30代 1.5%、40代 3.3%、50代 6.9%、60代 7.6%、70代 10.5%、80代10.9%であった。
【結論】日本のAverage risk群においてAdvanced neoplasia は男性に多く、年齢が増加すると発見率が増加した。大腸癌スクリーニングの開始年齢として、臨床的には50歳からが有用といわれているが、今回の結果では40代でも50代の半分近くのAdvanced neoplasiaを認め、そのことは興味深かった。そのためスクリーニングをもう少し若い年齢で開始したほうがよい可能性も考えられた。
索引用語 Advanced neoplasia, 大腸癌