セッション情報 | 一般演題 |
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タイトル | 88:Crohn病(CD)に対するAzathioprine(AZA)の臨床的有効性 |
演者 | 村上 右児(福岡大学筑紫病院 消化器科) |
共同演者 | 高木 靖寛(福岡大学筑紫病院 消化器科), 長浜 孝(福岡大学筑紫病院 消化器科), 松尾 静香(福岡大学筑紫病院 消化器科), 小野 陽一郎(福岡大学筑紫病院 消化器科), 高津 典孝(福岡大学筑紫病院 消化器科), 芦塚 伸也(福岡大学筑紫病院 消化器科), 久部 高司(福岡大学筑紫病院 消化器科), 宮岡 正喜(福岡大学筑紫病院 消化器科), 中村 守(福岡大学筑紫病院 消化器科), 別府 孝浩(福岡大学筑紫病院 消化器科), 平井 郁仁(福岡大学筑紫病院 消化器科), 松井 敏幸(福岡大学筑紫病院 消化器科) |
抄録 | 【目的】当院におけるCD患者のうちAZAを投与した症例に関して治療効果と安全性を検討する。検討項目:1.AZA投与後の治療効果判定2.AZAの副作用について3.6-TGN測定値および平均赤血球容積(MCV)との相関について【対象】当院のCD患者でAZAを投与された100例のうち、Infliximab併用例など52例を除外し48例に関して検討した。AZAの平均投与量は50.0±10.3mgであった。投与開始時の併用療法は5-ASA製剤のみ(17.7%)、5-ASA製剤+HEN(22.0%)、HENのみ(8.3%)、PSL併用例(52.0%)などさまざまであった。なおこれらの併用療法は今回治療効果評価の対象外とした。【方法】1.AZA投与6ヶ月後の効果判定に関しては投与前後のCDAIを比較し、緩解、有効、無効、中止にわけて評価した。2.AZAの副作用についてその種類、頻度および発現時期を比較した。3.対象患者中32例においてAZAの代謝産物である6-TGNを測定した。AZA投与開始時の6-TGN測定値の分布を見るとともに、著効・有効群26例と無効群6例においてAZA投与前後のMCVの差を比較した。【成績】1.6ヶ月後のAZAの治療効果は緩解16.6%、有効43.8%、無効14.6%、中止25.0%であった。2.AZAの重篤な副作用は48症例のうち顆粒球減少3例、吐き気3例、皮疹1例、肝機能障害1例、血小板減少1例、頭痛1例、腹痛1例、全身倦怠感1例の計12例(25.0%)に認められた。3.6-TGN測定値は全体の50.0%の症例が基準範囲235-400pmol/8×108(赤血球)に該当した。緩解・有効群は無効群に比べ、AZA投与後のMCVが有意に上昇した。1. なお6-TGN測定値とMCVの両者には有意な相関は認められなかった。【結論】AZAのCD患者に対する6ヶ月後の緩解・有効率は60.4%であり、副作用は25.0%に出現した。また6-TGNの測定値は投与量の調節に寄与すると思われ、AZAの有効性判定にMCVを用いることが実際的であった。 |
索引用語 | クローン病, アザチオプリン |