セッション情報 | 一般演題 |
---|---|
タイトル | 135:胃瘻瘻孔壁からの出血を認めた1例 |
演者 | 中武 信純(鹿児島市医師会病院 消化器内科) |
共同演者 | 伊東 徹(鹿児島市医師会病院 消化器内科), 鉾之原 英(鹿児島市医師会病院 消化器内科), 田ノ上 史郎(鹿児島市医師会病院 消化器内科), 岡江 耕二郎(鹿児島市医師会病院 消化器内科), 宇都宮 民治(鹿児島市医師会病院 消化器内科), 下川原 尚人(鹿児島市医師会病院 消化器内科), 岩切 裕二(鹿児島市医師会病院 消化器内科), 内園 均(鹿児島市医師会病院 消化器内科), 山口 淳正(鹿児島市医師会病院 消化器内科) |
抄録 | 【症例】75歳女性 【主訴】経口摂取困難 【現病歴】ALSで紹介医に入院中であった。徐々に経口摂取が困難となってきたため、PEG造設目的で紹介入院となった。 【入院後経過】入院後に胃体下部前壁に胃瘻カテーテル(ガストロドーム 24Fr.)を留置、少量の出血を認めたのみで終了した。3日後に血圧が低下し、胃瘻ルート内に凝血塊を認めた為、再度内視鏡を施行したところ、瘻孔壁内に動脈性の出血を認めた。HSEの局注やバンパーとストッパーでの圧迫でも完全止血が得られなかった為、PEG穿刺部周囲に鮒田式腹壁固定具を用いて3点固定し止血した。その後再出血無く経過し造設後14日目に転院となった。尚、固定糸の抜糸は4日目にPEG穿刺部口側を1糸、その翌日に肛門側を1糸、大弯側の残り1糸は瘻孔周囲の虚血を認めなかったため1ヵ月後にそれぞれ行った。 【考察】瘻孔内壁からの動脈性出血は、出血点の直接確認が難しく、止血処置も困難である。本例は胃壁の栄養血管である左胃動脈・胃大網動脈からの流入血流を低下させるために、瘻孔の小弯・大弯両側の腹壁固定糸での圧迫が有効な手段であった。ただし過度の圧迫が長時間に及ぶと虚血による瘻孔壊死などを合併するので、穿刺部周囲の注意深い観察が必要である。 |
索引用語 | 胃瘻, 出血 |