セッション情報 一般演題

タイトル 183:

膵原発MALTリンパ腫の一例

演者 中村 太一(九州大学病態制御内科)
共同演者 宜保 淳也(九州大学病態制御内科), 井筒 挙策(九州大学病態制御内科), 板場 壮一(九州大学病態制御内科), 河邊 顕(九州大学病態制御内科), 安部 康信(九州大学病態制御内科), 伊藤 鉄英(九州大学病態制御内科), 山口 幸二(同 臨床・腫瘍外科), 田中 雅夫(同 臨床・腫瘍外科), 穂刈 厚史(東京慈恵医科大学消化器肝臓内科), 高柳 涼一(九州大学病態制御内科)
抄録 症例は50代男性。2006年6月の検診の腹部超音波検査にて膵頭部に腫瘍を指摘されたため、同年7月に当科に紹介入院となった。腹部超音波検査では膵頭部に径3cm大、体尾部にも1.0~1.6cm大の低エコー腫瘍を認めた。造影C Tでは病変は膵実質とほぼ同程度の吸収値を示し、MRではいずれもT1延長を呈する境界明瞭な腫瘍として描出された 。FDG-PETでは膵頭部および体尾部に異常集積を認めた。EUS下穿刺吸引細胞診を施行、B細胞マーカー陽性の異型リンパ球を認め悪性リンパ腫が最も考えられた。最終組織診断を目的として、当院外科にて膵体部分節切除術を施行した。病理学的検討では腫瘍は類円形の核をもつ中 型の異型リンパ球がlymphoepithelial lesionを形成しながら増殖し、follicular colonizationも認められた。免疫 染色ではCD20陽性、CD3陰性およびbcl-2陽性であった。以上より膵原発MALTリンパ腫と診断した。治療として1.5~2 .0Gy/day、total 31Gyの放射線照射を施行し、術後評価のCTでは残膵の腫瘍は消失しCRと考えられた。膵原発悪性リンパ腫の本邦での文献による報告は医学中央雑誌による検索では19例であり、まれな節外性リンパ腫と考えられる。 若干の文献的考察を加え報告する。
索引用語 膵腫瘍, 悪性リンパ腫