セッション情報 | 一般演題 |
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タイトル | 175:血管造影下塞栓術で救命しえた腹部動脈瘤破裂の1症例 |
演者 | 長田 修一郎(大牟田市立総合病院 消化器科) |
共同演者 | 坂田 研二(大牟田市立総合病院 消化器科), 吉田 光(大牟田市立総合病院 消化器科), 高田 和英(大牟田市立総合病院 消化器科), 久米村 寛大(大牟田市立総合病院 消化器科), 松尾 健(大牟田市立総合病院 消化器科), 境 研二(大牟田市立総合病院 消化器科), 富安 信夫(大牟田市立総合病院 消化器科), 野口 和典(大牟田市立総合病院 消化器科), 大塚 裕之(大牟田市立総合病院 外科), 山本 眞理子(大牟田市立総合病院 外科), 藤野 隆之(大牟田市立総合病院 外科), 鶴田 修(久留米大学病院 消化器科), 佐田 通夫(久留米大学病院 消化器科) |
抄録 | 【症例】70歳;男性。【主訴】全身倦怠感、腹痛。【既往歴】高血圧症。【現病歴】2007年2月14日、全身倦怠感、腹痛にて当院救急外来受診され、血液検査上、CRP高値であり、全身状態不良のため、精査加療目的にて同日入院となった。【経過】2月15日、血液検査にて貧血の進行を認め(Hb11.9g/dl→Hb9.2g/dl)、炎症反応CRP11.7mg/dlと高値を認めた。腹部単純X線写真では明らかな異常ガス像は認めず、診察所見にても体動時にのみ右側腹部痛を認めるのみであった。原因検索のため腹部造影CTを施行したところ、十二指腸下行脚の右側上方に強い造影効果を有するmass lesionを認め、動脈と連続しており動脈瘤と考えられた。また中等量の腹水を認め、一部胃体部外側から下方に高吸収域を認めた。動脈瘤の穿破による腹腔内出血と考えられたため、緊急腹部血管造影を行った。腹腔動脈からの造影にて胃十二指腸動脈からの分枝より約3cm大の動脈瘤が描出された。治療は動脈瘤の前後の血管にコイリングを行い、塞栓が十分であることを確認して手技を終了した。治療後は炎症所見及び貧血所見は改善傾向となった。治療後1週間後の腹部CTでは病変部の明らかな造影効果は指摘できず、塞栓効果は良好と考えられた。全身状態改善し、3月1日退院となった。【結語】胃十二指腸動脈からの分枝にある動脈瘤破裂に対し、血管造影にて塞栓術を行い救命しえた症例を経験したので若干の文献的考察を加えて報告する。病因として感染、動脈硬化、薬物中毒の報告あり、当症例も感染と動脈硬化の可能性も考えられる。内臓動脈瘤としては1600例以上の文献報告があるが、その中での動脈別発現頻度としては本症例のような胃十二指腸動脈瘤は1.5%の頻度であり、極めて稀な症例であるといえる。 |
索引用語 | 腹部動脈瘤, 血管造影 |