セッション情報 | 一般演題 |
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タイトル | 74:内視鏡的に摘除しえた回腸腸石の1例 |
演者 | 橋口 一利(嶋田病院) |
共同演者 | |
抄録 | 症例は73歳女性。腹痛を主訴に近医より紹介となり、腹部単純写真にて小腸ガスの貯留を認め、イレウスの診断でロングチューブを挿入。腹部CTでは回腸に充実性の腫瘤影と内部に空気像を認め、小腸造影にて終末回腸付近に55×28mmの内腔を充満する腫瘤を認めた。以上より、小腸異物または小腸腫瘍が疑われたため、確認目的に大腸内視鏡検査を施行。回盲弁より10cm口側に内腔を占拠する褐色調の類円形の異物を認め、腸石と診断した。内視鏡的に回収ネットにて摘除を試みたが、回盲弁を通過できず、ポリペクトミースネアにて腸石の一部を分断して回収した。翌日の内視鏡では、腸石は分解されており、食事開始後も通過障害を認めず、退院となった。赤外線吸収スペクトロフォトメトリーによる腸石分析では、98%タンニンであった。生活歴では、20年来玄米食を摂取していた以外に、シーズンに1日1~2個の柿摂取がある他は特記すべき事項はなかった。本症例は、仮性腸石による閉塞性イレウスを内視鏡的に解除できた稀な症例であり、若干の文献的考察を加え報告する。 |
索引用語 | 腸石, 内視鏡治療 |