セッション情報 一般演題

タイトル 73:

柿胃石による小腸閉塞症の1症例

演者 田嶋 哲二(八代総合病院 外科)
共同演者 池嶋 聰(八代総合病院 外科), 松尾 彰宣(八代総合病院 外科), 倉本 正文(八代総合病院 外科), 馬場 秀夫(熊本大学大学院 消化器外科), 島田 信也(八代総合病院 外科)
抄録 症例は74歳男性。食事摂取困難にて近医を受診。腹部レントゲンでニボーを認めイレウスの診断にて入院。イレウス管挿入し保存的に加療された。しかし、症状改善なく小腸の完全閉塞を来たした為、当院へ紹介となった。腹部CT検査でニボー像と小腸の拡張及び腫瘤性病変を認め、イレウス管造影を行ったところ、小腸の閉塞と口側の拡張を認めた。イレウス状態が改善しない為、小腸腫瘍疑いにて開腹手術を行った。トライツ靭帯より30cmの部の小腸に6cm大の結石を認めた。胃内にも同様の硬結を触知したため小腸並びに胃切開し、数個の結石を摘出した。成分検査を行ったところ柿胃石であった。胃石は毛髪胃石や植物胃石,混合胃石などが存在し、統計学的には植物胃石が最も多く、その中でも柿胃石は70%を占めると報告されている。まれに柿胃石が小腸に流れ、嵌頓を来しイレウスを起こす事がある。今回,我々は稀な疾患である柿胃石による小腸閉塞症の1症例を経験した為、若干の文献的考察を加え報告する。
索引用語 イレウス, 柿胃石