セッション情報 | 一般演題 |
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タイトル | 101:大腸全摘後4年以上を経て腸管外合併症を来した潰瘍性大腸炎の3例 |
演者 | 成富 一哉(福岡大学 筑紫病院 外科) |
共同演者 | 東 大二郎(福岡大学 筑紫病院 外科), 河原 一雅(福岡大学 筑紫病院 外科), 紙谷 孝則(福岡大学 筑紫病院 外科), 関 克典(福岡大学 筑紫病院 外科), 永川 祐二(福岡大学 筑紫病院 外科), 平野 憲二(福岡大学 筑紫病院 外科), 田村 智章(福岡大学 筑紫病院 外科), 富安 孝成(福岡大学 筑紫病院 外科), 石橋 由紀子(福岡大学 筑紫病院 外科), 下村 保(福岡大学 筑紫病院 外科), 新居 かおり(福岡大学 筑紫病院 外科), 黒木 博介(福岡大学 筑紫病院 外科), 二見 喜太郎(福岡大学 筑紫病院 外科) |
抄録 | 症例1: 45歳女性.19歳時発症.40歳時,中毒性巨大結腸症にて緊急手術施行.大腸全摘5年後,2006年3月下痢出現.左足首に紅斑が出現し,4月になり関節痛も伴ったため当科受診となる.内視鏡検査では回腸嚢内にびらん,小潰瘍を認め回腸嚢炎の所見であった.PSL内服開始し関節痛,結節性紅斑は速やかに改善した.症例2:37歳女性.32歳時発症.33歳時,中毒性巨大結腸症にて緊急手術.大腸全摘4年後,2006年9月両肩肘関節痛,右足関節に皮膚炎出現.回腸嚢の内視鏡ではアフタ様のびらんが散在し,病理学的に軽度の回腸嚢炎であった.PSL5mg内服により関節痛は消失,右足関節皮膚炎も改善傾向となった.症例3:52歳女性.43歳時年発症. 内科的治療抵抗性にて47歳時手術施行.大腸全摘5年後,2005年1月再発性の口腔内アフタ様潰瘍が出現.2月下旬より便回数増加に伴い肛門痛が出現した.肛門skin tagが疼痛の原因と考え切除術を行なった.退院後,手術時に行った出血時間検査の左耳介部に肉芽を伴う膿瘍を形成し壊死性膿皮症と診断した.内視鏡検査で回腸嚢および口側小腸にびらん・アフタが多発し,上部内視鏡でも胃及び十二指腸に同様の所見を認めた. 5ASA,シクロスポリン投与により症状の改善を認めた. 潰瘍性大腸炎の腸管外合併症は,腸病変による二次的な代謝異常や生理学的機序により発症するものと,免疫学的機序により発症するものに分けられる.本症例3例にみられた結節性紅斑,関節炎,膿皮症は免疫学的機序により発症するとされている.腸管病変との関係では病勢が一致するとの報告が多いが,一致しないとの報告もあり,本症例のように腸切除後に発症したとの報告もある.大腸全摘4年以上の歳月を経て腸管外合併症を来した3例を経験したので文献的考察を交えて報告する. |
索引用語 | 潰瘍性大腸炎, 腸管外病変 |