セッション情報 |
シンポジウム1
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タイトル |
S1-05:小肝細胞癌(1.5cm以下)の診断における造影USの有用性
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演者 |
光安 智子(福岡大学筑紫病院 消化器科) |
共同演者 |
戸原 恵二(福岡大学筑紫病院 消化器科), 野間 栄次郎(福岡大学筑紫病院 消化器科), 松井 敏幸(福岡大学筑紫病院 消化器科) |
抄録 |
【目的】最大径1.5cm以下の肝細胞癌(HCC)の診断において、Levovistを用いた造影USの有用性及び診断に寄与する因子について、他の画像診断と比較した.【方法】対象;ウィルス性慢性肝疾患に発生した、腫瘍径1.5cm以下で腫瘍深部が8cm以内である68結節.内訳はHCC49結節、良性結節19結節(過形成性結節17結節、限局性脂肪変性2結節).全結節に造影US、Dynamic-CT(E-CT)、血管造影(AG), 腫瘍生検を施行.造影USはLevovistを静注し,約40秒後まで観察(血管相)した後、約5分後を観察(晩期実質相).超音波診断装置は東芝Power vision 8000.検討項目;造影US・E-CT・AGのそれぞれで、HCCの診断に有用な因子を解析した.【成績】造影USの濃染パターンは以下の様に分類された.血管相:(a)腫瘍血管+濃染なし、(b) 腫瘍血管+濃染あり(c)信号なし.晩期実質相:Defect;結節の全体または一部に濃染の欠損を認める.Iso;結節部が周囲肝と同等に染まる.造影US・E-CT・AG において、 HCCの診断に有用な因子についてロジステイックモデルを用いて多変量解析を行ったところ、table.1のごとく、造影US晩期実質相と造影CT早期相の所見が優位差をもって有用であった.すなわち、HCCでは造影CTで早期濃染を、晩期実質相で結節内に信号の欠損像を認めるが、良性結節では早期濃染がなく、殆どがIsoを呈する.【結語】各画像検査とも径の小さな腫瘍での診断能は高いが、より低侵襲な造影USは第一選択となりうる. Table. 1 Factor β SE P value Hazard ratio造影US晩期実質相 2.338 0.870 0.007 10.362(1.884-56.986)造影CT早期相 3.233 1.103 0.003 25.364(2.920-220.314) ( ):95% infidenc interval N= 68 |
索引用語 |
造影超音波, 肝細胞癌 |