セッション情報 | 一般演題 |
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タイトル | 212:糖尿病合併NAFLDにおける肝臓専門医によるグラフ化体重日記導入の治療成績 |
演者 | 針 里栄(大分大学 医学部 生体分子構造機能制御講座) |
共同演者 | 清家 正隆(大分大学 医学部 生体分子構造機能制御講座), 織部 淳哉(大分大学 医学部 生体分子構造機能制御講座), 井上 恵(大分大学 医学部 生体分子構造機能制御講座), 高橋 祐幸(大分大学 医学部 生体分子構造機能制御講座), 姫野 克郎(大分大学 医学部 生体分子構造機能制御講座), 阿部 信行(内科阿部医院) |
抄録 | 【目的】NAFLDは肥満を背景にしており、食習慣の是正が必要である。グラフ化体重日記は食習慣是正プログラムであり、今回肝臓専門医による体重日記を用いたNAFLD治療成績を示し、有用性を報告する。 【対象と方法】2003年1月から2007年2月までにグラフ化体重日記を導入した脂肪肝17例。男/女8/9、平均年齢55.6歳、BMI28.8 kg/m2。体重日記は、1日4回(起床直後、朝食直後、夕食直後、就寝直前)体重を測定し、毎日グラフに記入。月1回肝臓専門外来受診時に確認することとした。導入前後で臨床検査所見、腹部超音波検査所見を比較検討した。脂肪肝の診断は、bright liver、肝腎contrast、burring、attenuationを各1点とし、2点以上を脂肪肝とした。 【成績】体重日記の継続期間は平均11.8ヶ月(1~38ヶ月)。現時点での継続率は23.5%(4/17)。日記継続中の体重は、不変もしくは減少が17例、増加は0例であった。ALT、γGTPが25%以上低下した症例は33.3%(5/15)みられた。また日記継続中38.5%(5/13)の症例は、腹部超音波上脂肪肝の程度が4点から2点に改善した。中断後も経過観察した11例では、中断後体重増加5例、不変または減少は6例であった。6ヶ月以上体重日記を継続した9例中8例では、体重の減少、ALT、γGTPの低下、脂肪肝の改善のうちいずれかの所見が得られた。 【考察】NAFLDは肥満を伴っている場合が多く、食習慣をはじめ生活習慣の是正が治療の第一歩である。NAFLDにおけるグラフ化体重日記による長期経過を評価した報告はない。離脱例も多く今後工夫が必要であるが、リバウンド現象も少ないことが知られており、本治療技法はNAFLDの中心的な治療法になりうる。 【結語】肝臓専門医においてもグラフ化体重日記による治療は有用である。 |
索引用語 | NAFLD, グラフ化体重日記 |