セッション情報 一般演題

タイトル 199:

MRCPが診断に有用であったMirizzi症候群の一例

演者 井上 博人(熊本セントラル病院 消化器内科)
共同演者 山田 慎吾(熊本セントラル病院 消化器内科), 坂井 慈実(熊本セントラル病院 消化器内科), 火野坂 淳(熊本セントラル病院 消化器内科), 鈴木 飛鳥(熊本セントラル病院 消化器内科), 南野 隆一(熊本セントラル病院 消化器内科), 佐田 通夫(久留米大学医学部 消化器内科)
抄録 今回われわれは、術前に診断しえたMirizzi症候群の一例を経験したので報告する。 症例は46歳、男性。主訴は腹痛、黄疸、全身倦怠感。入院時血液生化学検査では、胆道系酵素異常と炎症反応上昇が認められた。腹部超音波検査、CT検査では胆石、胆嚢壁肥厚、肝内胆管拡張を認めた。MRCPでは総肝管に漏斗状の狭窄像があり、その圧排側に胆嚢管の描出を認めた。胆嚢管内の結石により壁外性に総肝管が狭窄していると考えられMirizzi症候群が疑われた。 ERCPではMRCP同様に胆嚢管三管合流部付近に結石を認め、Mirizzi症候群と診断しERGBDを施行した。その後発熱、黄疸、腹痛症状、検査所見は速やかに改善した。手術所見では胆嚢管三管合流部付近に結石が嵌頓しており、腹腔鏡下では結石摘出困難であったため、開腹手術により胆嚢管切開後嵌頓解除した。術後Cチューブ造影施行し遺残結石のない事を確認後Cチューブを抜去している。 術後は順調であり経過観察を継続している。 Mirizzi症候群は胆嚢頸部や胆嚢管に嵌頓した結石や炎症性変化により総肝管に狭窄や閉塞を認めるものをいうが、胆嚢癌と鑑別が困難な疾患である。本症例では術前のMRCPとERCPが診断に有用であり、ERGBDが著効した一例と考えここに報告した。
索引用語 合流部結石, MRCP