セッション情報 一般演題

タイトル 75:

穿通枝が原因と考えられる難治性食道静脈瘤の一例

演者 中村 日奈(久留米大学 医学部 内科学講座 消化器内科部門)
共同演者 熊本 正史(久留米大学 医学部 内科学講座 消化器内科部門), 都田 憲司(久留米大学 医学部 内科学講座 消化器内科部門), 江森 啓悟(久留米大学 医学部 内科学講座 消化器内科部門), 森田 幸彦(久留米大学 医学部 内科学講座 消化器内科部門), 於保 和彦(久留米大学 医学部 内科学講座 消化器内科部門), 鶴田 修(久留米大学 医学部 内科学講座 消化器内科部門), 佐田 通夫(久留米大学 医学部 内科学講座 消化器内科部門)
抄録 症例は68歳, 男性, C型肝硬変症でHCCの合併なくChild-pugh score 5点の患者である. 当院消化器病センターにて外来follow中, 食道静脈瘤(Ls,F2,Cb,RC2)を認めたため予防的治療目的にて入院. (2006.2.28-3.22)内視鏡的食道静脈瘤結紮術(EVL)を計3回(O-ring 23個)および地固め療法としてアルゴンプラズマ療法(APC)を1回施行した. しかし, 治療後5ヵ月後の上部消化管内視鏡検査にてLm,F1,Cb,RC2の再発静脈瘤を認めた. 再発静脈瘤は切歯列より約35cmから口側へと穿通枝を介した静脈瘤が考えられたため, 超音波内視鏡検査を施行. 穿通枝径は約2.2mmであったため再度同部を含め追加EVL 1回(O-ring 9個)を施行した. しかし, 1ヵ月後の上部消化管内視鏡検査にてLm,F1,Cb,RC2の早期再発静脈瘤を認めた. この場合の静脈瘤も穿通枝を介した静脈瘤であったが, EVLでは再度早期に静脈瘤再発をきたすことが考えられること, およびこれまでの治療により瘢痕線維化が形成されていることより追加治療として内視鏡的硬化療法(EIS)を選択した. EIS 1回(5%ethanolamine oleate 14.2mL)およびAPC 1回施行し食道静脈瘤は消失, 現在再発なく経過良好である. 食道静脈瘤形成に穿通枝を介した場合は, EVLでは難治性静脈瘤となる可能性がありEISが第一選択になると考えられた.
索引用語 食道静脈瘤, 穿通枝