セッション情報 一般演題

タイトル 68:

腸閉塞が診断の契機となり、横行結腸癌を合併していた回腸癌の一例

演者 渕上 忠史(新日鐵八幡記念病院 消化器科)
共同演者 中村 滋郎(新日鐵八幡記念病院 消化器科), 生野 夕紀子(新日鐵八幡記念病院 消化器科), 梶原 英二(新日鐵八幡記念病院 消化器科), 佐伯 浩司(新日鐵八幡記念病院 外科), 東 秀史(新日鐵八幡記念病院 外科), 金城 満(新日鐵八幡記念病院 病理部), 松本 主之(九州大学 大学院 病態機能内科学), 飯田 三雄(九州大学 大学院 病態機能内科学)
抄録 症例は71歳、男性。平成13年7月S状結腸3型進行癌の手術歴がある。平成18年7月頃より便秘傾向であった。8月12日に腹痛出現し、下剤服用したが排便なく、嘔吐が出現したため13日当院救急外来を受診した。腹部単純X線にて小腸ガス、鏡面像を認めたため腸閉塞と診断し内科入院となった。絶食・胃管挿入にて症状は軽快したが、食事を再開すると症状の再燃を認めたため、精査目的で22日当科転科となった。腹部CTで明らかな閉塞部位は同定できず、当初は癒着性イレウスが疑われた。胃管にて症状改善後、経口小腸造影検査・ゾンデ法小腸二重造影検査施行し、骨盤内回腸にapple core sign様の全周性狭窄を認めた。また下部消化管内視鏡検査では横行結腸脾彎曲部に結節集簇様隆起性病変を認めた。注腸X線造影検査でsm浅層への浸潤が否定できず、大きさも径4.5cmであったため内視鏡的切除は困難と考え、9月22日回腸部分切除・横行結腸部分切除術を施行した。病変肛門側より術中内視鏡にて観察したところ、Treiz靱帯より160cmの回腸に不整形潰瘍を伴う全周性狭窄を認め、周囲は粘膜下腫瘍様に隆起していた。病理診断は回腸癌(深達度ss)ならびに横行結腸癌(深達度m)であった。本症例は小腸癌に横行結腸癌を合併した比較的稀な症例と思われ、若干の文献的考察を加え報告する。
索引用語 回腸癌, 腸閉塞