セッション情報 一般演題

タイトル 223:

超音波造影剤が質的診断に有用であった肝細胞癌の1例

演者 清家 正隆(大分大学 医学部 生体分子構造機能制御講座 内科学第一)
共同演者 井上 恵(大分大学 医学部 生体分子構造機能制御講座 内科学第一), 姫野 克郎(大分大学 医学部 生体分子構造機能制御講座 内科学第一), 織部 淳哉(大分大学 医学部 生体分子構造機能制御講座 内科学第一), 高橋 祐幸(大分大学 医学部 生体分子構造機能制御講座 内科学第一), 吉松 博信(大分大学 医学部 生体分子構造機能制御講座 内科学第一), 山下 勉(杉村記念病院 消化器科), 重松 利行(杉村記念病院 消化器科), 森 哲(杉村記念病院 消化器科), 岩下 幸雄(大分赤十字病院 肝胆膵外科), 福澤 謙吾(大分赤十字病院 肝胆膵外科)
抄録 症例は60歳、男性、C型慢性肝炎にて近医で治療していた。IFN療法では無効で、SNMCの投与を受け、3ヶ月1回の画像診断を行っていた。本年2月、S7に境界不明瞭な腫瘤が腹部超音波検査で指摘され、当科を紹介された。受診時、既に、門脈右枝は腫瘍により閉塞していた。平成19年3月、CTA、CTAPによる評価のため、入院した際に、ソナゾイドによる超音波造影検査を行った。この際、血流イメ-ジングではS7腫瘤に造影効果はなく、クッパ-イメ-ジングにおいてもisoであった。そのため、主結節の同定が困難であった。通常エコーで境界不明瞭な部分には血流があり、クッパーイメージングでも低エコーとはならず、正常な肝細胞と推定された。CTA、CTAPでは同様の所見を呈し、肝機能が良好であり、肝切除のため、日赤病院外科に転院となった。CTや通常の超音波検査ではS7の腫瘤からの肝内門脈浸潤と考えたが、門脈近傍の小結節からの浸潤が推測された。超音波造影剤を用いた造影エコーは問題点も多く、肝細胞癌診療における位置付けについては今後さらに検討を必要とするが、本例は、術前の評価に超音波造影剤による評価が極めて有用であったので報告する。
索引用語 超音波造影検査, 肝細胞癌