セッション情報 一般演題

タイトル 261:

インターフェロン治療中にI型糖尿病を発症した一例

演者 吉本 剛志(国立病院機構 九州医療センター 消化器科)
共同演者 新名  雄介(国立病院機構 九州医療センター 消化器科), 崎山 裕美子(国立病院機構 九州医療センター 消化器科), 武元 良祐(国立病院機構 九州医療センター 消化器科), 西 秀博(国立病院機構 九州医療センター 消化器科), 宮原 稔彦(国立病院機構 九州医療センター 消化器科), 福泉 公仁隆(国立病院機構 九州医療センター 消化器科), 原田 直彦(国立病院機構 九州医療センター 消化器科), 中牟田 誠(国立病院機構 九州医療センター 消化器科), 高見 裕子(国立病院機構 九州医療センター 外科), 才津 秀樹(国立病院機構 九州医療センター 外科)
抄録 【症例】66歳 女性【主訴】多飲・多尿・口渇感【家族歴】【既往歴】【生活歴】特記すべき事項なし【現病歴】平成18年3月より慢性C型肝炎(1b、HCV-RNA 86 KIU/mL)に対して他院においてペグインターフェロンα2a 180μg週1回の単独療法を開始。肝機能やウイルス動態などは良好であったが、同年10月ころより多飲・多尿・口渇感が出現、検査にてHbA1c 11%を指摘されたために、当院へ紹介入院となる。【入院時検査】TP 6.6 g/dL、Alb 3.6 g/dL、AST 29 IU/L、ALT 33 IU/L、γGTP 33 IU/L、FBS 341 mg/dL、HbA1c 12.7%、HCV-RNA(定性)陰性【臨床経過】インターフェロン導入時には糖尿病はなく、インターフェロン導入後に糖尿病を発症したものと考えられた。尿中CPR 12.5 μg/日と内因性インスリン分泌の低下および抗GAD抗体が4280倍と著明高値(インターフェロン投与開始時保存血清では0.3倍未満)であることから、I型糖尿病と診断した。直ちにインターフェロン投与中止とインスリンによる治療を開始し糖尿病に関しては良好なコントロールを得ている。抗GAD抗体価は平成19年1月の時点では2870倍と低下していた。また、インターフェロン投与中止後4ヶ月の時点での血中HCVウイルスは陰性であった。【考察】これまでに報告されたインターフェロン治療開始後に発症したI型糖尿病においては、HLA DR9型やDR4型が多いとされているが、本症例においてもHLA DR9型であり、インターフェロン治療に関連発症したI型糖尿病である可能性が示唆され、文献的考察を加えて報告する。
索引用語 I型糖尿病, インターフェロン