| セッション情報 |
一般演題
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| タイトル |
231:C型慢性肝炎に合併したクエン酸モサプリド(ガスモチン)による薬物性肝障害の一例
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| 演者 |
大橋 朋子(新日鐵八幡記念病院 消化器科) |
| 共同演者 |
内村 浩太郎(新日鐵八幡記念病院 消化器科), 梶原 英二(新日鐵八幡記念病院 消化器科), 金城 満(新日鐵八幡記念病院 病理部), 佐渡島 省三(新日鐵八幡記念病院 内科) |
| 抄録 |
症例は54歳、女性。主訴は胃重感。既往歴に8歳時の脾臓摘出時に輸血施行。飲酒歴なし。2006年11月中旬、近医にて十二指腸潰瘍を指摘され、プレパシド(タケプロン)、クエン酸モサプリド(ガスモチン)内服開始。この時HCVAb陽性、ALT64IU/l。2007年2月13日頃より胃重感出現し2月27日近医受診した際に著明な肝機能障害を認め、当科紹介となった。貧血、黄疸なし。肝・脾触知なし。Plt 15.8万/μl、WBC5000/μl(Eo3.4%)、Alb 3.8g/dl、 TBil 1.6 mg/dl、 AST 1320 IU/l、ALT 1033 IU/l、γGTP 316 IU/l、ALP 360 IU/l、IgG 2100mg/dl 、ANA<40x 、HBsAg(-)、HCV-Ab(+)、HCVRNA定量 280KIU/mlでその他肝炎ウイルスマーカーはすべて陰性。リンパ球幼若化試験(DLST)値はクエン酸モサプリド(ガスモチン)が321%と陽性であった。入院後プレパシド(タケプロン)、クエン酸モサプリド(ガスモチン)内服中止し経過観察したが、ALTの改善乏しく入院7日目の肝生検ではChronic hepatitis, typeC, A2-3,F2 with mild form of submassive hepatic necrosisであった。薬物性肝障害診断基準 DDW-J2004によるスコアリングでは5点(可能性が高い)であった。3月9日よりステロイドパルス(メチルプレドニゾロン500mg3日間)施行後、ALTは速やかに低下し、プレドニゾロン40mgより漸減中である。クエン酸モサプリド(ガスモチン)による薬物性肝障害は散見されるが、C型慢性肝炎に合併した報告例は非常に稀であり、文献的考察を加え報告する。 |
| 索引用語 |
薬物性肝障害, C型肝炎 |