| セッション情報 | 一般演題 |
|---|---|
| タイトル | 255:HCV高浸淫地区住民検診の経過中にHCV-RNAが自然消失した4例 |
| 演者 | 熊谷 公太郎(鹿児島大学 医学部 消化器疾患・生活習慣病学) |
| 共同演者 | 宇都 浩文(鹿児島大学 医学部 消化器疾患・生活習慣病学), 楠元 寿典(宮崎大学 医学部 消化器血液病学), 林 克裕(宮崎大学 医学部 医学教育改革推進センター), 玉井 努(鹿児島大学 医学部 消化器疾患・生活習慣病学), 重信 秀峰(鹿児島大学 医学部 消化器疾患・生活習慣病学), 小原 一憲(鹿児島大学 医学部 消化器疾患・生活習慣病学), 森内 昭博(鹿児島大学 医学部 消化器疾患・生活習慣病学), 長谷川 将(鹿児島大学 医学部 消化器疾患・生活習慣病学), 桶谷 真(鹿児島大学 医学部 消化器疾患・生活習慣病学), 坪内 博仁(鹿児島大学 医学部 消化器疾患・生活習慣病学) |
| 抄録 | 【はじめに】HCVは感染後約7割が慢性化し、持続感染が設立したあとにHCVが自然消失することは稀である。今回は、HCV高浸淫地区住民検診を受け、1995年から2001年までHCVが持続感染し、その後にHCVが自然消失した4例を経験したので報告する。【対象と方法】2005年までIFN治療歴がなく、1995年にHCV抗体陽性かつHCVコア抗原もしくはHCV-RNAが陽性、さらに2001年にもHCV-RNA陽性で、その後のHCV-RNAを測定したHCV高浸淫地区住民検診受診者344名を対象とした。HCV-RNAが2002年以降陰性化した症例の、ALT値の推移、1995年と2001年のHCVコア抗原量、2001年の血小板数とIV型コラーゲン7S、背景肝を検討した。【結果】2002年以降HCV-RNAが陰性化したのは4例であった。この4例中3例の経過中のALT値はすべて30未満で、1例のみALT値が変動(100台前後)した。また、コア抗原は2001年のHCV-RNA陽性時に全例8pg/ml未満と低値であった。血小板数は15.3万から25.7万、IV型コラーゲン7Sは3.7~7.0ng/mlであった。またエコー所見は2例が正常肝で、慢性肝炎、肝硬変が1例ずつであった。【考察】HCV持続感染者におけるHCV自然消失率は0.3%~2.8%/年と言われており、稀であるが、自然消失に関わる因子としてはALT<30IU/L、コア抗原<20pg/ml、肝癌末期、もしくは出産や外科的処置などが挙げられている。今回我々の4症例ではALT、背景肝には一定の傾向は無かったものの、HCVコア抗原は全例低値であったことから、HCVの自然消失にはHCV RNA消失前のウイルス量がもっとも関与することが示唆された。 |
| 索引用語 | HCV, 自然消失 |