セッション情報 |
シンポジウム2
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タイトル |
S2-04:大腸腫瘍におけるpit patternおよび微細血管模様による質・深達度診断能の検討
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演者 |
澤 優子(久留米大学医学部内科学講座消化器内科部門) |
共同演者 |
鶴田 修(久留米大学医学部内科学講座消化器内科部門), 河野 弘志(久留米大学医学部内科学講座消化器内科部門), 唐原 健(久留米大学医学部内科学講座消化器内科部門), 佐田 通夫(久留米大学医学部内科学講座消化器内科部門) |
抄録 |
【目的】pit pattern及びNBIを用いた微細血管模様による大腸腫瘍の質・深達度診断能を明らかにする。【対象と方法】内視鏡的又は外科的に切除された大腸腫瘍の内、1)拡大内視鏡と実体顕微鏡の対応が可能であった190病変を対象として、VI型pitを輪郭明瞭なVI型と輪郭不明瞭なVI型に細分類したpit patternによる質及び深達度診断能を検討する。2)NBIで微細血管模様が十分に観察評価できた43病変で、正常部と比較した病変部の血管模様をネットワーク、太い血管、口径不同および血管密度差の4項目について、各々あり・なしに分類し、血管模様と質及び深達度診断の関係を検討する。【結果】1)pitがV型以外、VI型、VN型になるにつれ、浸潤距離1000μm以上の病変が明らかに増加した。また輪郭明瞭なVI型の76.3%(29/38)が1000μm未満の浅い病変で、輪郭不明瞭なVI型の91.7%(4/44)が1000μm以上の深い病変で、両者に有意差を認めた(P<0.0001)。2)ネットワークは、1000μm未満の73.7%(28/38)に認め、1000μm以上の60%(3/5)に認めなかったが有意差はみられなかった。太い血管は1000μm未満には認めず、1000μm以上の60%(3/5)に認め、両者に有意差がみられた(P=0.0008)。口径不同は1000μm未満の55.3%(21/38)に認めず、1000μm以上の80%(4/5)に認めたが有意差はみられなかった。血管密度差は1000μm未満の78.9%(30/38)に認めず、1000μm以上の60%(3/5)に認めたが有意差はみられなかった。【結語】大腸腫瘍の深達度診断においてVI型細分類によるpit pattern診断は有用であり、更に微細血管模様の観察では太い血管が観察された場合は浸潤癌の可能性が高い。pit pattern診断と共にNBIによる血管模様の観察は、質及び深達度診断能を向上させる可能性が示唆される。 |
索引用語 |
pit pattern, NBI |