セッション情報 | ワークショップ3 |
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タイトル | 165:進行・再発大腸癌に対するFOLFOX・FOLFIRI外来化学療法の現況 |
演者 | 田中 伸之介(福岡大学消化器外科) |
共同演者 | 松尾 勝一(福岡大学消化器外科), 牧 孝将(福岡大学消化器外科), 中野 昌彦(福岡大学消化器外科), 松本 久伸(福岡大学消化器外科), 志村 英生(福岡大学消化器外科), 山下 裕一(福岡大学消化器外科) |
抄録 | 新規抗癌剤(CPT-11、Oxsaliplatinなど)の登場、医療経営を勘案した入院期間の短縮、IVHポートや持続静注用ポンプなど各種機材の発展などが相まって、進行再発大腸癌に対し化学療法を外来にて施行する機会が増加した。そこで今回は皮下植え込み型持続静注用ポートを用いFOLFOX療法(5FU/LV/Oxaliplatin)、FOLFIRI療法(5FU/LV/CPT-11)を外来通院にて施行している症例につき、その治療現況を検討した。対象は2005年5月より2006年12月までに同療法を施行した14例(男性6例、女性8例、平均年齢64.3歳)である。同治療は原法に則り48時間の継続治療であるため、外来で初期投与開始し帰宅、約48時間後に外来再診していただき持続用留置針と持続用ポンプを抜去回収している(一部症例は近医にて抜去回収)。対象症例の内訳は切除不能の高度進行癌1例、再発転移13例で、FOLFOX療法12例、FOLFIRI療法7例、FOLFOXからFOLFIRI療法への移行7例、前治療はIFI療法7例、5FU/LV療法1例、TS-1療法2例、UFT療法2例、未治療2例であった。全例とも第1クール目は入院のうえ同療法を行い、重篤な有害事象や副作用がないことを確認のうえ、第2クール以降はIVHポートを前胸部皮下に埋没留置し外来通院にて同療法を施行した。治療成績はPR3例、SD5例、PD6例で、現在時点で生存8例、死亡6例である。有害事象は造血器障害9例(Grade1:6例、Grade2:2例、Grade3:1例)、末梢神経障害:8例、強いアレルギー反応:1例がみられたが、致死例は経験していない。静注用ポート感染やトラブルに伴うポート抜去例はなく、外来化学療法は比較的順調に行われており、消化器系の副作用も制吐剤やステロイド剤併用にておよそ容認できる範囲と思われた。治療の実際はハード面とマンパワーの問題から外来診察室と化学療法室の双方で施行されており、今後は画一化されたハードとソフトの改良が必要と思われる。また短期治療成績は比較的良好と思われるが、長期成績は今後の厳重な経過観察と症例の蓄積を待つ必要がある。 |
索引用語 | 大腸癌, 化学療法 |