セッション情報 一般演題

タイトル 64:

小腸Gastrointestinal stromal tumorを合併したvon Recklinghausen病の1例

演者 久保倉 尚哉(九州大学大学院病態機能内科学)
共同演者 江崎 幹宏(九州大学大学院病態機能内科学), 田辺 嘉高(九州大学大学院臨床腫瘍外科学), 壬生 隆一(九州大学大学院臨床腫瘍外科学), 具島 正樹(九州大学大学院形態機能病理学), 八尾 隆史(九州大学大学院形態機能病理学), 松本 主之(九州大学大学院病態機能内科学), 飯田 三雄(九州大学大学院病態機能内科学)
抄録 症例は59歳、女性。幼少期にvon Recklinghausen病、2005年に重症筋無力症(眼筋型)と診断され、当院神経内科にて加療されていた。2006年11月、近医で施行された上部消化管内視鏡検査で胃体上部小弯に径15mm大の粘膜下腫瘍を指摘され精査目的で当科紹介となった。同病変は通常内視鏡観察で表面に潰瘍形成を伴わない平滑な粘膜下腫瘍であり、超音波内視鏡では第4層と連続する内部エコーがやや不均一な低エコー性腫瘤として描出され、neurielemmomaが第1に考えられた。しかし、基礎疾患にvon Recklinghausen病を有することから小腸X線検査を施行したところ、上部空腸に径20mm大の粗大結節状隆起を認めたため同年12月精査目的で当科入院となった。ゾンデ法小腸X線造影検査では小腸病変は中央に線状陥凹を有する2コブ状隆起として描出された。また、ダブルバルーン小腸内視鏡検査では同隆起は頂部に辺縁明瞭な浅い潰瘍形成を有する粘膜下腫瘍として観察された。なお、いずれの検査でも小腸内に他病変は認められなかった。潰瘍部から採取した生検組織中に柵状配列する紡錘形細胞の集簇を認め、免疫染色にてc-kit陽性であることからGastrointestinal stromal tumor(GIST)と診断。諸検査にて遠隔転移を示唆する所見なく、小腸部分切除術を施行した。von Recklinghausen病ではしばしば多発性の消化管腫瘍性病変を合併し、その多くは小腸に好発することが知られている。今回我々は、胃病変を契機に小腸GISTを発見し得たvon Recklinghausen病の1例を経験したので、文献的考察を加え報告する。
索引用語 GIST, von Recklinghausen病