セッション情報 一般演題

タイトル 7:

幽門側胃切除術後に残胃再発をきたした19歳男性若年者進行胃癌の一例

演者 長沼 志興(宮崎大学医学部腫瘍機能制御外科学講座)
共同演者 長池 幸樹(宮崎大学医学部腫瘍機能制御外科学講座), 千々岩 一男(宮崎大学医学部腫瘍機能制御外科学講座), 佛坂 正幸(宮崎大学医学部腫瘍機能制御外科学講座), 日高 秀樹(宮崎大学医学部腫瘍機能制御外科学講座), 江藤 忠明(宮崎市郡医師会病院), 前原 直樹(宮崎大学医学部腫瘍機能制御外科学講座), 松田 博光(宮崎大学医学部腫瘍機能制御外科学講座), 麻田 貴志(宮崎大学医学部腫瘍機能制御外科学講座), 内山 周一郎(宮崎大学医学部腫瘍機能制御外科学講座), 高橋 伸育(宮崎大学医学部腫瘍機能制御外科学講座)
抄録 【はじめに】30才未満の若年者胃癌はまれだがその中でも20才未満の若年者胃癌はきわめてまれである.今回われわれは19歳で発見された進行胃癌に対し根治的幽門側胃切除術を行った後に残胃再発をきたした1例を経験したので報告する.【症例】19歳男性.18才時の2002年頃から心窩部痛を自覚していた.2003年9月同症状が持続するため近医を受診した.胃内視鏡検査で胃前庭部に2型腫瘍を指摘され生検で胃癌と診断されたため当科を紹介された.2003年10月幽門側胃切除術を行った.術後診断は signet-ring cell carcinoma, T3(SE), N0, P0, H0, M0, Stage II, ly2, v1, PM(-), Cur Bであった.術後S-1内服による補助化学療法を行った.2005年10月に術後経過観察のため胃内視鏡検査を行ったところ残胃小弯側縫合線上に中心陥凹を伴った不整な隆起性病変を認めた.残胃の癌(M-2-S)の診断で脾臓摘出を伴う残胃全摘術を行った.リンパ節転移は認めなかったが腫瘍は肝外側区域に浸潤しており肝の一部を合併切除した.術後診断はsignet-ring cell carcinoma, T4(SI, liver), N0, P0, M0, Stage IIIAだった.病理組織学的に再発腫瘍は初回胃腫瘍と極めて類似しておりいわゆる残胃再発癌と診断した.【考察】20歳未満若年者胃癌症例は進行癌で発見されることが多く予後不良といわれている.19歳で発見され胃切除後に再発をきたした若年者胃癌を経験した.受診時すでに進行癌であり,若年者においても早期の発見と術後の綿密な検査計画が必要であると思われた.
索引用語 若年者胃癌, 再発胃癌