セッション情報 | 一般演題 |
---|---|
タイトル | 232:薬剤過敏性症候群(drug-induced hypersensitivity syndrome : DIHS)の2例 |
演者 | 中村 憲一(宮崎大学 医学部 消化器血液病学) |
共同演者 | 楠元 寿典(宮崎大学 医学部 消化器血液病学), 蓮池 悟(宮崎大学 医学部 消化器血液病学), 中澤 潤一(宮崎大学 医学部 消化器血液病学), 安倍 弘生(宮崎大学 医学部 消化器血液病学), 三池 忠(宮崎大学 医学部 消化器血液病学), 田原 良博(宮崎大学 医学部 消化器血液病学), 永田 賢治(宮崎大学 医学部 消化器血液病学), 下田 和哉(宮崎大学 医学部 消化器血液病学), 林 克裕(宮崎大学 医学部 医学教育改革推進センター), 岡山 昭彦(宮崎大学 医学部 感染症膠原病内科), 岩切 久芳(宮崎県立延岡病院) |
抄録 | 【はじめに】薬剤過敏性症候群(drug-induced hypersensitivity syndrome : DIHS)とは、限られた薬剤によって引き起こされる高熱と臓器障害を伴う薬疹で、多くの場合発症後2~3週でヒトヘルペスウイルス6(HHV-6)の再活性化を生じる。【症例1】61歳男性。てんかんに対し2005年11月からフェノバルビタールの投与を受けた。11月下旬から39度台の発熱・肝腎障害・全身の紅斑が出現しステロイド治療を行った。しかし12月にHHV-6脳炎、2月にサイトメガロウイルス感染症を併発し2006年3月当科入院となった。ステロイド治療で臨床症状は徐々に改善したが感染性心内膜炎を合併した。経過からHHV-6の再活性化を伴うDIHSが強く疑われた。【症例2】32歳女性。てんかんに対し2006年1月14日からゾニサミドの投与を受けた。2月17日から全身に紅斑が出現し、近医でプレドニゾロン(PSL)15mgで加療を受けたが改善せず、2月24日から39度台の発熱・白血球増多・肝障害・喘息発作が出現した。ステロイドセミパルス療法で臨床症状は改善したが、3月5日から再燃しステロイドパルス療法とPSL50mgで加療をうけた。3月15日当科入院、HHV-6抗体価の上昇がありDIHSと診断し、以後慎重なステロイド減量で臨床症状は改善した。肝生検では門脈周囲に軽度のリンパ球浸潤を認めた。【まとめ】DIHSの2例を経験した。DIHSは肝機能障害をきたすことが多く、消化器内科にとっても注意すべき疾患群であると考えられた。また慎重なPSL減量で改善し肝病理組織を検討できた貴重な1症例を経験したので、若干の文献的考察を加えて報告する。 |
索引用語 | DIHS, HHV-6 |