セッション情報 | 一般演題 |
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タイトル | 97:当院における潰瘍性大腸炎サイトメガロウイルス感染合併症例の検討 |
演者 | 眞喜志 知子(豊見城中央病院) |
共同演者 | 新垣 伸吾(豊見城中央病院), 柴田 大介(豊見城中央病院), 丸岡 隆二(豊見城中央病院), 仲吉 朝史(豊見城中央病院), 金城 光世(豊見城中央病院), 金城 福則(琉球大学付属病院光学診療部) |
抄録 | サイトメガロウイルス(以下CMV)感染は潰瘍性大腸炎の治療抵抗性や急性増悪に関与していることが知られる。当院でも3例経験したため若干の文献的考察を加え報告する。症例1:71歳、男性。平成元年発症の左側大腸炎型で再燃緩解型。平成16年10月ごろより軟便が1日4行ほどあり時に血便もみられていた。サラゾピリン、プレドニン、6-MPの内服等で治療されたが軽快せず平成17年3月14日大腸内視鏡検査で粘膜のびまん性のそぞう、易出血性の所見に加え縦走傾向の潰瘍がみられる中に円形潰瘍もみられた。病理検査でCMV感染所見が得られた。デノシン注投与2週間施行し軽快。平成18年10月より便5行/日、血便もみられ悪化。11月27日に大腸内視鏡検査を施行。縦走、帯状、地図状の潰瘍がみられ病理検査でCMV感染所見が得られた。デノシン注2週間投与、白血球除去療法(以下LCAP)を施行し軽快。症例2:59歳、女性。平成17年8月発症の潰瘍性大腸炎、再燃寛解型。既往歴は特になし。平成18年8月に入り下痢が増悪、プレドニン内服を開始するも効果乏しく9月11日入院となった。入院時の大腸内視鏡検査では全結腸にび漫性の粘膜そぞう、粘液付着、易出血性の所見がみられた。プレドニン60mg内服、LCAPにて治療開始。症状改善傾向であったが入院9日目より排便回数が増加、血便もみられたため大腸内視鏡検査を施行。円形潰瘍がみられCMV感染が疑われた。病理検査でCMV感染所見は得られなかったが血中CMV抗原検査陽性でありデノシン注を2週間施行し軽快した。症例3:74歳、男性。平成17年発症の左結腸型。既往歴に肺炎あり。ペンタサ内服、ペンタサ注腸にて外来治療中であった。平成19年1月22日頃より下痢、血便が悪化、2月26日38.8℃の発熱、下痢10行/日の状態で入院となった。強力ステロイド静注療法で治療開始。軽快傾向にあったが再び3月4日より微熱が出現、炎症反応も上昇したため大腸内視鏡検査を施行。入院時にはみられなかった円形潰瘍が散在していたため病理検査を施行しCMV感染所見が得られた。デノシン注を開始しLCAP療法を施行、現在治療中であるが難渋している。 |
索引用語 | 潰瘍性大腸炎, サイトメガロウイルス |