セッション情報 | 一般演題 |
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タイトル | 127:放射線療法が奏功したHelicobacter pylori陰性の胃MALTリンパ腫の1例 |
演者 | 和田 史孝(社会保険田川病院) |
共同演者 | 前川 隆一郎(社会保険田川病院), 佐々木 優(社会保険田川病院), 野田 哲裕(社会保険田川病院), 草場 喜美子(社会保険田川病院), 相野 一(社会保険田川病院), 宮島 一郎(社会保険田川病院), 植山 敏彦(社会保険田川病院 放射線科), 森光 洋介(社旗保険田川病院 病理), 鶴田 修(久留米大学内科学講座消化器内科部門), 佐田 通夫(久留米大学内科学講座消化器内科部門) |
抄録 | はじめに]従来、胃MALTリンパ腫(mucosa-associated lymphoid tissue)に対する治療は外科的治療が主体であったが、Helicobacter pylori(H.pylori)の除菌療法及び放射線療法など非外科的治療を主体とした治療体系へと大きく変化している。今回、H. pylori陰性の胃MALTリンパ腫に対して放射線療法が奏功した症例を経験したので報告する。[症例]45歳 女性[主訴]検診異常[現病歴及び入院後経過]2005年3月に検診にて胃隆起性病変を疑われ紹介となる。4月に上部消化管内視鏡検査を施行した。生検の結果、胃MALTリンパ腫と診断した。腹部造影CT検査、骨髄検査、PET検査等他画像施行し胃MALTリンパ腫Stage1の診断に至った。尿素呼気試験、血清抗体、IgG抗体においてH.pylori陰性であった。除菌療法は施行せず放射線療法のみを選択した。6月30日より1.6Gyを9回、7月14日より1.5Gyを11回、計30.9Gy放射線照射を行った。7月27日の上部消化管内視鏡検査にて病変部は瘢痕化していた。以後現在まで、腹部エコー検査、上部消化管内視鏡検査にて経過観察を行っているが、現在まで再発は認められない。[考察]本症例はHelicobacter pylori陰性の胃MALTリンパ腫であり除菌療法の有効性が低く、病期がStage1であったため、放射線療法を選択し奏功した症例であった。1年9ヶ月外来経過観察中であるが再発は認めていない。ただMALTリンパ腫に対する放射線療法の長期予後に関する報告は少なく、また寛解後の遠隔再発症例や照射内に胃癌の発症例の報告があるために注意深い経過観察が必要であると考えられた。 |
索引用語 | 胃MALTリンパ腫, H.pylori |