セッション情報 一般演題

タイトル 17:

便潜血検査陽性者と腹部有症状患者における大腸内視鏡検査でのAdvanced neo-plasiaの発見頻度の比較

演者 尾田 恭(服部胃腸科)
共同演者 蓮田 究(服部胃腸科), 田中 朋史(服部胃腸科), 後藤 英世(服部胃腸科), 服部 正裕(服部胃腸科)
抄録 背景:便潜血検査(Fecal-occult-blood test 以下FOB)は、広く大腸癌検診に利用されている方法である。FOB 陽性者の精査によって Dukes’ A の大腸癌の発見が増加すること、同時に大腸癌の死亡率を減少させることが証明されている。その一方で大腸内視鏡検査は、大腸癌の前段階、あるいは早期癌の発見に寄与する最も強力な検査であることは明白であり、最小の浸襲で大腸癌治療を行うことができる。今回、我々は、FOB 検査がadvanced neoplasia(以下AVN)の発見に対して有用であるかを、腹部有症状患者における大腸内視鏡検査と比較した。方法:2006年9月から2007年7月までに大腸内視鏡検査を受けた7,190人について検査理由をFOB群と非FOB群にわけてAVN、早期大腸癌、進行大腸癌の発見頻度を比較した。治療目的の他院紹介症例は除外した。結果:FOB群は486人、非FOB群は6,621人であった。進行大腸癌は、FOB群で1.4 % (7/486) 、非FOB群で0.28% (19/6621)であった(p<0.05)。 AVNはFOB群では15.4 % (75/486)、非FOB群では 6.7 % (442/6621) であった。早期大腸癌は、FOB群では1.2 % (6/486)、非FOB群では0.7 % (45/6621)であった(p=0.16)。10mm以上に腺腫は、FOB群では13.6 % (66/486)、非FOB群では6.1 % (404/6621)であった。高度異型腺腫は、それぞれ2.5 % (12/486)、1.3 % (87/6621)であった。結論:FOB検査陽性患者は、進行大腸癌の発見において有用なだけでなく、AVN、早期癌の発見にも有用であった。
索引用語 advanced neoplasia, FOB