セッション情報 | 一般演題 |
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タイトル | 154:大腸内視鏡検査における観察時の体位変換の有用性 |
演者 | 蓮田 究(服部胃腸科) |
共同演者 | 尾田 恭(服部胃腸科), 後藤 英世(服部胃腸科), 田中 朋史(服部胃腸科), 安永 真(服部胃腸科), 加来 英典(服部胃腸科), 服部 正裕(服部胃腸科) |
抄録 | 【背景】大腸内視鏡検査において挿入法は色々議論されるが、観察法について議論されることは少ない。我々は観察時に体位変換を行うことが、病変の発見のためには重要であると考えている。【目的】大腸内視鏡検査における観察時の体位変換の有用性を明らかにすること。【方法】2003年4月より、当院では大腸内視鏡検査に体位変換を用いた観察を導入している。今回我々は、体位変換導入前後に2回の大腸内視鏡検査を受けた1524例、体位変換導入後に2回の大腸内視鏡検査を受けた858例を対象とし、同一症例における2回の検査において、新発見病変の数、部位、大きさ、肉眼形態、病理組織像の違いについて検討した。なお、体位変換による観察とは、腸管が最も拡がるように「盲腸~近位横行結腸は左側臥位及び仰臥位、遠位横行結腸~下行結腸は右側臥位、S状結腸~直腸は左側臥位」で観察したものとした。【結果】体位変換導入前後の検査での比較では454例(29.8%,454 / 1524)に775病変の新発見病変を認めた。これに対し、体位変換導入後の検査での比較では207例(24.1%,207 / 858)に332病変の新発見病変を認めた(p<0.05)。なお部位、大きさ、肉眼形態、病理組織像において差は認めなかった。また初回検査での病変の有無別の次回検査での新発見病変の割合は、体位変換導入前後の検査での比較では、初回検査発見病変なし群で25.5%(251 / 983)、病変あり群で37.5%(203 / 541)に新発見病変を認めた(p<0.05)。体位変換導入後の検査での比較では、初回検査発見病変なし群で19.5%(106 / 544)、病変あり群で32.2%(101 / 314)に新発見病変を認めた(p<0.05)。【結論】体位変換を用いた観察の導入により約30%の症例に新発見病変を認め、導入後の検査では新発見病変は有意に減少したことより、体位変換は大腸内視鏡検査の観察において有用であると考えられた。また、初回検査で病変を認めた症例は次回検査でも病変を認める可能性が高く、このような症例は注意深い経過観察が必要であると考えられた。 |
索引用語 | 大腸内視鏡検査, 体位変換 |