セッション情報 | 一般演題 |
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タイトル | 23:粘膜下腫瘍様の形態を呈した大腸低分化腺癌の1例 |
演者 | 進藤 洋一郎(久留米大学 医学部 内科学講座 消化器内科部門) |
共同演者 | 河野 弘志(久留米大学 医学部 内科学講座 消化器内科部門), 鶴田 修(久留米大学 医学部 内科学講座 消化器内科部門), 澤 優子(久留米大学 医学部 内科学講座 消化器内科部門), 吉森 建一(久留米大学 医学部 内科学講座 消化器内科部門), 唐原 健(久留米大学 医学部 内科学講座 消化器内科部門), 中原 慶太(久留米大学 医学部 内科学講座 消化器内科部門), 居石 哲治(久留米大学 医学部 内科学講座 消化器内科部門), 光山 慶一(久留米大学 医学部 内科学講座 消化器内科部門), 佐田 通夫(久留米大学 医学部 内科学講座 消化器内科部門), 豊永 純(安本病院), 長田 英輔(長田病院) |
抄録 | 今回我々は粘膜下腫瘍様の形態を呈した大腸低分化腺癌の1例を経験したので報告する。症例は71才男性。高血圧症、糖尿病、肝硬変症、慢性腎不全、虚血性心疾患にて加療中、血液検査で貧血の進行を認めたため、下部消化管内視鏡検査を施行した。その結果大腸に径15mm大で、表面が正常粘膜に覆われた粘膜下腫瘍様の隆起性病変を認め、色素撒布を行うと隆起の頂面には大きさ約10mm大の平坦な隆起性病変の存在が著明となった。平坦病変と粘膜下腫瘍様の隆起の関係を調べるために、拡大内視鏡検査を行ったところ、平坦な病変は腫瘍pitとして観察され、一部無構造として観察される領域を認めた。生検の結果、低分化腺癌と診断され、また内視鏡所見より粘膜下層深部に浸潤した病変も否定できないため、リンパ節郭清を含む外科的切除を行った。切除標本においては病変は大きさ12mmの平坦な病変でその周囲に僅かに隆起する領域を認めた。病理組織学的には、一部固有筋層まで浸潤した進行癌であった。粘膜内病変は保たれており、高分化および低分化腺癌の2つの領域を認めた。浸潤部においては粘液結節が観察され、この所見が粘膜下腫瘍様の隆起の原因と考えられた。大腸においては粘膜下腫瘍様の形態を呈する病変の頻度は低く、また低分化腺癌の頻度も同様に低いと報告されている。今回われわれは粘膜下腫瘍様の隆起を呈した低分化腺癌という稀な症例を経験したので文献的考察も含めて報告する。 |
索引用語 | 粘膜下腫瘍, 低分化腺癌 |