セッション情報 シンポジウム2

タイトル S2-05:

食道表在癌の拡大内視鏡による微細血管構築と組織所見の比較検討

演者 田宮 芳孝(久留米大学内科学講座消化器内科部門)
共同演者 中原 慶太(久留米大学内科学講座消化器内科部門), 米湊 健(久留米大学内科学講座消化器内科部門), 芹川 習(久留米大学内科学講座消化器内科部門), 渡辺 靖友(久留米大学内科学講座消化器内科部門), 鶴田 修(久留米大学内科学講座消化器内科部門), 佐田 通夫(久留米大学内科学講座消化器内科部門), 秋葉 純(久留米大学病理学講座)
抄録 食道の扁平上皮は内視鏡的にIPCL(上皮乳頭内血管ループ)が透見され、更にはNBI(narrow band imaging)強調画像ではこれらの血管が背景粘膜に対して高いコントラストをもって描出される。井上らは拡大内視鏡による食道表在癌のIPCLの特徴として、4つの変化所見、すなわち拡張、蛇行、口径不同、形状不均一が認められるものとし、IPCL type IからVに分類している。また、深達度診断については、井上ら、有馬らの詳細な報告があるものの、まだ充分なコンセンサスは得られていないのが現状である。特にm3・sm1癌は、EMR(endoscopic mucosal resection )/ESD(endoscopic submucosal dissection)の相対的適応にあたり、術前深達度診断におけるm1-m2癌とsm2以深癌との正確な鑑別は臨床的にきわめて重要な課題のひとつである。そこで、今回の検討の目的は食道表在癌の拡大内視鏡観察による微細血管構築の特徴と深達度の関係を明らかにすることである。対象は内視鏡的切除術(EMR/ESD)が施行され症例で、術前に充分な拡大内視鏡観察がなされた食道表在癌(扁平上皮癌)とした。方法は遡及的に内視鏡像(通常、拡大)を見直し切除標本・組織所見と対比検討した。検討項目:1)検討症例の臨床病理学的な内訳、2)深達度と拡大内視鏡上の微細血管所見の比較:組織学的深達度をm1-m2部、m3-sm1部とsm2以深部の3つに亜分類した組織標本再構築図を作成し、各々の領域の拡大内視鏡上の微細血管所見(密度、配列、大小不同、形状不均一、延長、口径不同)と比較した。これらの関係を明らかにするとともに、食道表在癌に対する拡大内視鏡観察の現状や問題点を報告する。
索引用語 食道表在がん, 拡大内視鏡