セッション情報 | 一般演題 |
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タイトル | 71:出血をきたした小腸inflammatory fibroid polypの1例 |
演者 | 岩本 英希(久留米大学 医学部 内科学講座 消化器内科部門) |
共同演者 | 河野 弘志 (久留米大学 医学部 内科学講座 消化器内科部門), 鶴田 修(久留米大学 医学部 内科学講座 消化器内科部門), 澤 優子(久留米大学 医学部 内科学講座 消化器内科部門), 桑木 光太郎(久留米大学 医学部 内科学講座 消化器内科部門), 吉森 建一(久留米大学 医学部 内科学講座 消化器内科部門), 唐原 健(久留米大学 医学部 内科学講座 消化器内科部門), 中原 慶太(久留米大学 医学部 内科学講座 消化器内科部門), 居石 哲治(久留米大学 医学部 内科学講座 消化器内科部門), 光山 慶一(久留米大学 医学部 内科学講座 消化器内科部門), 佐田 通夫(久留米大学 医学部 内科学講座 消化器内科部門), 豊永 純(安本病院) |
抄録 | ダブルバルーン小腸内視鏡(double balloon以下DBE)の登場により、小腸病変に遭遇する機会が増加している。今回我々は、消化管出血をきたした小腸inflammatory fibroid polypの1例を経験したので報告する。症例は37才男性。夜間に突然、多量の暗赤色の血便を認めたために、近医に緊急入院となった。上部および下部消化管内視鏡検査、腹部超音波検査、腹部CT、小腸造影、シンチグラム等の検査を行ったが、大腸に憩室を認めるのみで出血源は不明であった。その後も血便がみられたため、原因検索のためのDBE目的にて当科紹介入院となった。DBEにおいては経肛門的アプローチにおいては特に異常所見を認めず、後日行った経口的アプローチでは空腸と思われる部位に、大きさ約10mmで、表面に白苔を有する広基性の隆起病変を認めた。病変に上皮性腫瘍性変化は認められなかった。また病変より僅かに出血が認められたことから、本病変が消化管出血の原因と考えられた。筋または神経原性腫瘍、カルチノイド腫瘍、リンパ増殖性疾患などを考え、生検を施行したが、診断につながるような情報はえられなかった。消化管出血を繰り返すことから治療の適応と考え、外科的切除を行った。病変は大きさ10mmで表面平滑な隆起性病変であった。病理組織学的にはinflammatory fibroid polypの診断であった。inflammatory fibroid polypは消化管においては比較的胃での報告が多く、小腸に存在し、出血をきたすような症例の報告は少ない。今回われわれはDBEにて発見し、出血をきたした小腸inflammatory fibroid polypの貴重な1例を経験したので若干の文献的考察も含めて報告する。 |
索引用語 | inflammatory fibroid polyp, 小腸内視鏡 |