セッション情報 一般演題

タイトル 48:

術前診断が困難であったGroove pancreatic carcinoma の3切除例

演者 内藤 嘉紀(久留米大学 医学部 病理学講座)
共同演者 草野 弘宣(久留米大学病院 病院病理部), 檜垣 浩一(聖マリア病院 病院病理部), 田中 将也(聖マリア病院 外科), 谷脇 智(聖マリア病院 外科), 森光 洋介(社会保険田川病院 病理診断部), 田中 裕穂(社会保険田川病院 外科), 岡部 義信(久留米大学 医学部 内科学講座 消化器内科部門), 木下 壽文(久留米大学 医学部 外科学講座 肝胆膵外科部門), 矢野 博久(久留米大学 医学部 病理学講座)
抄録 【はじめに】Groove領域に主座をおく膵癌は、術前診断のみならず病理診断においても下部胆管癌、十二指腸癌などとの鑑別に苦慮する症例が多くみられる。 今回我々は、臨床診断及び病理診断に苦慮したGroove pancreatic carcinomaの3症例を経験したので報告する。【症例1】77歳男性。嘔気、嘔吐を主訴に受診。腹部エコーでは、主膵管の拡張を認め、腹部CTにて膵頭部に大きさ3X2cm大の腫瘤を認めた。上部消化管内視鏡検査では十二指腸下行脚に高度の狭窄を認めるものの、生検では異型細胞はみられなかった。以上の所見より、十二指腸癌もしくは膵癌の診断にて膵頭十二指腸切除術施行となった。組織診断は、Groove領域に主座をおくPancreatic carcinomaであった。【症例2】78歳男性。腹部膨満感、嘔吐にて受診。腹部CTにて膵頭部に大きさ3X2cm大の腫瘤を認めた。上部消化管内視鏡検査では十二指腸球部に高度の狭窄を認め、生検では異型細胞がみられた。以上の所見より、十二指腸癌の診断にて膵頭十二指腸切除術施行となった。組織診断は、Groove領域に主座をおき、十二指腸内腔に露出したPancreatic carcinomaであった。【症例3】57歳女性。全身黄疸にて救急車搬入。MRCPにて下部総胆管に狭窄を認め、下部胆管癌の診断にて膵頭十二指腸切除術施行となった。組織診断は、十二指腸固有筋層に拡張した腫瘍腺管の増殖を認めるGroove pancreatic carcinomaであった。【結語】術前診断が困難であったGroove pancreatic carcinomaを経験したので報告した。
索引用語 Groove pancreatic carcinoma, pancreatic carcinoma