セッション情報 | 一般演題 |
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タイトル | 144:リンパ管侵襲陽性であった分化型胃粘膜内癌の一例 |
演者 | 中尾 慎二(鹿児島厚生連病院 消化器内科) |
共同演者 | 徳重 浩一(鹿児島厚生連病院 消化器内科), 橋元 慎一(鹿児島厚生連病院 消化器内科), 福田 芳生(鹿児島厚生連病院 消化器内科), 大石 一郎(鹿児島厚生連病院 消化器内科), 市来 秀一(鹿児島厚生連病院 消化器内科), 谷口 鎌一郎(鹿児島厚生連病院 消化器内科), 中村 勇一(鹿児島厚生連病院 消化器内科), 久保 文武(鹿児島厚生連病院外科), 浜之上 雅博(鹿児島厚生連病院外科), 前之原 茂穂(鹿児島厚生連病院外科), 唐仁原 寛(唐仁原内科クリニック), 清水 健(鹿児島市医師会病院病理部), 高城 千彰(鹿児島市医師会病院病理部) |
抄録 | 【はじめに】これまで10mm以下の粘膜内癌は肉眼型,組織型,ULの有無に関係なくリンパ節転移はないとされてきた。今回われわれはリンパ管侵襲陽性であった10mm以下の分化型胃粘膜内癌を経験したので報告する。【症例】68歳男性。検診異常で前医受診し上部消化管内視鏡検査で胃前庭部大弯後壁寄りに約10mm大の平坦隆起型病変を指摘された。精査加療目的で当科紹介され,上部消化管造影検査,超音波内視鏡検査にて粘膜内病変と診断しESDを施行した。病理組織学的検査にて病変の大きさは9×8mm,深達度Mの中分化型腺癌で脈管侵襲陽性が疑われD2‐40染色でリンパ管侵襲陽性と診断された。水平断端および垂直断端は陰性であった。本人および家族に十分な説明を行った結果,手術を希望されたため当院外科にて幽門側胃切除+D1郭清を施行した。病理結果では残存病変およびリンパ節転移は認めなかった。【まとめ】リンパ管侵襲陽性であった分化型胃粘膜内癌の一例を経験した.追加切除にてリンパ節転移はみられず,10mm以下の粘膜内癌はリンパ節転移はないという考えを支持する結果となった。しかし,脈管侵襲はリンパ節転移の重要な因子といわれており追加切除をせずに経過観察を行うことは異論もあることと思われる。これまでの報告ではリンパ節転移のない粘膜内癌のうちリンパ管侵襲陽性を認めた例は1%程度と報告されているが絶対数は少なく貴重な症例と思われた。 |
索引用語 | 粘膜内癌, リンパ管侵襲 |