セッション情報 |
ポスターセッション(消化器病学会)
肝臓-症例報告3
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タイトル |
消P-746:大腸癌再発化学療法後に門脈圧亢進症を来した結節性再生性過形成の一例
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演者 |
高谷 広章(奈良県立医大附属病院・消化器・内分泌代謝内科) |
共同演者 |
植村 正人(奈良県立医大附属病院・消化器・内分泌代謝内科), 中西 啓祐(奈良県立医大附属病院・消化器・内分泌代謝内科), 福本 江梨(奈良県立医大附属病院・消化器・内分泌代謝内科), 武山 真也(奈良県立医大附属病院・消化器・内分泌代謝内科), 沢井 正佳(奈良県立医大附属病院・消化器・内分泌代謝内科), 豊原 眞久(奈良県立医大附属病院・消化器・内分泌代謝内科), 藤本 正男(奈良県立医大附属病院・消化器・内分泌代謝内科), 山尾 純一(奈良県立医大附属病院・消化器・内分泌代謝内科), 福井 博(奈良県立医大附属病院・消化器・内分泌代謝内科) |
抄録 |
【目的】結節性再生性過形成(NRH)は非硬変肝に多発結節を生じる非腫瘍性結節性病変であり、門脈圧亢進症、自己免疫性疾患等との関連が推測されている。大腸癌術後に糖尿病、慢性関節リウマチを併発し、大腸癌再発に対する化学療法後に門脈圧亢進症を来し、NRHと診断した症例を報告する。【症例】63歳,女性。主訴:心窩部不快感。既往歴:39歳時に大腸癌(SMN2H0M0P0 Stage3b)にて手術(横行結腸切除術+D2郭清)。49歳時より糖尿病、慢性関節リウマチを併発。60歳時、大腸癌が再発し、化学療法(FOLFOX、14クール)を施行。飲酒歴:ビール350ml/日、35年、55歳より禁酒。家族歴:母 糖尿病。現病歴:心窩部不快感の精査中、食道静脈瘤(LmF2CbRC1)と軽度の脾腫を指摘された。【検査所見】T-Bil 0.7 mg/dl, AST 18 IU/l, ALT 14 IU/l, ZTT 15.1 KU, ALP 471 IU/L, γ-GTP 24 IU/l, Alb 4.5 g/dl, PT% 85%. IgG 1118 mg/dl. ANA ×40, 抗LKM-1抗体 37.3 index, HbA1c 4.8%. HBsAg陰性、HCV抗体陰性. 腹部CT:肝表面軽度凹凸不整。肝は中心性に腫大し、末梢は萎縮傾向。脾は軽度腫大し、化学療法後に増大傾向。肝生検:肝実質内に数mm大の結節様変化がみられ、肝細胞が過形成性変化を示す領域と圧排され萎縮性を示す領域を認めた。線維化は軽度でNRHに合致する所見であった。【考察&結語】NRHの原因には門脈圧亢進症を含む血流異常、経口避妊薬、ステロイド、抗癌剤、糖尿病、自己免疫疾患などが考えられている。本例では再発大腸癌に対する化学療法後に脾腫が増強し、門脈圧亢進症が顕性化したことから、糖尿病、慢性関節リウマチという背景の上に頻回の癌化学療法が加わり、NRH発症に至った可能性がある。 |
索引用語 |
NRH, 大腸癌 |