セッション情報 一般演題

タイトル 92:

出産後に腸管穿孔を起こしたクローン病の一例

演者 宮内 隆好(慈愛会 今村病院本院 消化器内科 研修医)
共同演者 徳元 攻(慈愛会 今村病院本院 消化器内科), 大井 秀久(慈愛会 今村病院本院 消化器内科), 堀 雅英(慈愛会 今村病院本院 消化器内科), 長岡 美佐紀(慈愛会 今村病院本院 外科), 林 知美(慈愛会 今村病院本院 外科), 有馬 豪男(慈愛会 今村病院本院 外科), 大迫 保(慈愛会 今村病院本院 外科), 中馬 豊(慈愛会 今村病院本院 外科), 帆北 修一(慈愛会 今村病院本院 外科), 川崎 雄三(慈愛会 今村病院本院 外科), 野村 秀洋(慈愛会 今村病院本院 外科), 牛垣 由美子(慈愛会 今村病院本院 産婦人科), 中村 砂登美(慈愛会 今村病院本院 産婦人科), 松田 彰郎(鹿児島共済会 南風病院 消化器科)
抄録 今回我々は、帝王切開による出産後に腸管穿孔を起こしたクローン病の一例を経験したので報告する。<症例>39歳女性 <主訴>腹痛 <既往歴>19歳 十二指腸潰瘍穿孔で手術、94年8月 胸腰椎圧迫骨折、2003年8月 転移性胞状奇胎 <現病歴>1986年 、腹痛で発症。94年よりEN開始。 大腸・小腸に多発する内瘻出現し、1996年3月 空腸・回腸部分切除、結腸全摘、回腸瘻造設術施行。HEN 800kcalで外来治療継続していた。2000年8月3日 経腟分娩で第1子出産。その後、回腸瘻周囲の瘻孔が出現し、時々、発熱がみられていたが、短期間の抗生剤投与で軽快していた。2002年6月25日 レミケード投与受けたが効果はなく、発熱・炎症反応高値の時のみ、抗生剤投与続けていた。2006年3月 妊娠。以前と同じ外来治療を続けていた。骨盤位のため12月28日 帝王切開となった。術後2日目より食事開始となったが、熱発、イレウス出現。絶食・補液・抗生剤点滴にて治療行うも著明な改善ないため、当科紹介となった。1月23日の消化管造影検査で造影剤の腸管外漏出なかったため経腸栄養開始したが、膣より経腸栄養剤様の液体流出認められた。2月9日 小腸造影で小腸から造影剤漏出し、子宮に連絡していた。クローン病患者の出産では本例のように腸管穿孔を起こすリスクを念頭に置く必要性が示唆された。<まとめ>最近、IBD患者が経過中、妊娠・出産の機会が多くなり、多くは安全に出産できているが、今回のように手術歴のある患者では帝王切開などの手術後に腸管穿孔を起こすこともあり、十分な術後管理が必要であると思われた。
索引用語 クローン病, 妊娠