セッション情報 一般演題

タイトル 79:

胃全摘後静脈瘤に対しEISLを施行した1例

演者 山内 亨介(久留米大学内科学講座消化器内科部門)
共同演者 江森 啓悟(久留米大学内科学講座消化器内科部門), 都田 憲司(久留米大学内科学講座消化器内科部門), 森田 幸彦(久留米大学内科学講座消化器内科部門), 熊本 正史(久留米大学内科学講座消化器内科部門), 於保 和彦(柳川病院), 鶴田 修(久留米大学内科学講座消化器内科部門), 佐田 通夫(久留米大学内科学講座消化器内科部門)
抄録 症例は71歳男性、B+C型肝硬変。昭和62年早期胃癌に対し胃全摘、脾摘術を施行、平成13年喉頭癌手術時に肝硬変を指摘される。平成17年12月肝細胞癌加療目的にて前医入院中に、空腸から食道に連続する静脈瘤を指摘され、加療目的にて平成18年2月13日当科紹介入院となった。入院時の上部消化管内視鏡検査(EGD)では、Lm,F2,Cb,RC2の食道静脈瘤およびそれに連続して空腸側の0時方向と6時方向に静脈瘤を認めた。血行動態把握のため血管造影および3D-CTを施行したところ、空腸枝と思われる血管に沿って横隔膜方向に上行する拡張した静脈を認め、食道・空腸静脈瘤と考えられたが、その起始部は不明瞭であった。2月22日EISLを施行、内視鏡装着バルーン圧迫下に食道静脈瘤の0時方向を穿刺し、5%ethanolamine oleate(EOI)を注入したところ、0時方向の食道静脈瘤に続いて供血血管の空腸枝が描出された。さらに5%EOIの注入を続けたところ6時方向の食道静脈瘤が描出された(total 5%EOI 10.4ml)。3月1日内視鏡的硬化療法を施行、食道空腸吻合部付近を穿刺したところ、血栓形成により狭小化した空腸枝が描出されたため、治療終了とした(total 5%EOI 8.2ml)。術後5ヶ月のEGDでは、白色血栓化した食道静脈瘤を認めるのみで空腸静脈瘤は消失を認めた。胃全摘後静脈瘤に対する予防的治療としては、EISLが有効と考えられた。
索引用語 胃全摘後静脈瘤, 内視鏡的硬化療法