セッション情報 一般演題

タイトル 70:

Peutz-Jeghers症候群に伴う多発小腸腫瘍に対し術中内視鏡を併用し腫瘍切除術を行った1例

演者 江口 英利(大分大学 医学部 消化器外科)
共同演者 當寺ヶ盛 学(大分大学 医学部 消化器外科), 藤井 及三(大分大学 医学部 消化器外科), 衛藤 剛(大分大学 医学部 消化器外科), 安田 一弘(大分大学 医学部 消化器外科), 猪俣 雅史(大分大学 医学部 消化器外科), 野口 剛(大分大学 医学部 消化器外科), 白石 憲男(大分大学 医学部 消化器外科), 北野 正剛(大分大学 医学部 消化器外科)
抄録 【症例】30歳代、男性。17歳時にS状結腸腫瘍に対しS状結腸切除術を受け、この時Peutz-Jeghers症候群と診断された。2006年5月腹痛を主訴に前医を受診、小腸の多発腸重積を認め当科へ紹介となった。左側腹部に可動性のある腫瘤を触知した。腹部CTにて2箇所の腸重積を認め、小腸造影にて腸重積の原因となった径5cmと2cmのポリープをはじめ、0.5~2cm大の小腸ポリープが多発していた。以上よりPeutz-Jeghers症候群に伴う多発小腸腫瘍による腸重積の診断にて手術を行った。手術は腹腔鏡下に腹腔内の癒着(大網・小腸)を剥離した後に上腹部に5cmの小切開をおき小腸を腹腔外へ挙上した。2箇所の腸重積(Treitz靭帯より40cmと60cmの空腸)を用手的に整復した。Treitz靭帯より10cmの小腸に小切開をおき術中内視鏡を用いて、腸重積の原因となった2個のポリープ及び比較的大きな3個のポリープを確認し、小腸の切開を1箇所追加して、ポリープを切除した。切除ポリープは過誤腫であったが、一部に粘膜内にとどまる腺がんを認めた。脈管侵襲は伴っていなかった。【結語】腸重積を発症したPeutz-Jeghers 症候群に伴う多発小腸ポリープに対し、腹腔鏡と術中内視鏡の併用は低侵襲で有用な治療法と思われた。
索引用語 多発小腸腫瘍, 腸重積