セッション情報 |
一般演題
|
タイトル |
80:当院において経験した抗LKM-1抗体陽性自己免疫性肝炎のニ例
|
演者 |
久保田 富秋(沖縄県立中部病院) |
共同演者 |
山口 裕(沖縄県立中部病院), 島袋 容司樹(沖縄県立中部病院), 篠浦 丞(沖縄県立中部病院), 菊地 馨(沖縄県立中部病院), 慶田 喜秀(沖縄県立中部病院) |
抄録 |
本邦では比較的稀な抗LKM抗体陽性自己免疫性肝炎2例を経験したので報告する。症例1:61歳女性,他院にて黄疸指摘され当院紹介受診。身体所見上眼球結膜黄染(+)、肝腫大(+)。血液検査上、AST 351IU/l、ALT 613IU/l、ALP 556IU/l、T-bil 8.6mg/dl、D-bil 5.5mg/dl、PT(%) 54%、HBVDNA(-)、HCV RNA(-)、抗核抗体(-)、AMA-M2抗体160倍、抗平滑筋抗体(-)、DLST(シロスタゾール)(-)、画像上肝腫瘤や肝内胆管拡張はいずれもみとめず。肝生検所見上CNSDCの所見はみとめず急性と慢性肝炎像の混在を呈しており、自己免疫性肝炎か薬剤性肝障害が疑われた。最終的に抗LKM-1抗体x32(弱陽性)の結果を得、抗LKM抗体(+)2型自己免疫性肝炎と診断しPSL40mg/日を開始した。治療開始後黄疸は改善した。症例2:23歳女性、感冒症状にて他院受診。血液検査上肝炎疑いにて入院となり、自己免疫性肝炎の診断のもとPSL50mg/日が開始されいったん退院となった。その二日後発熱、感染性関節炎の疑いにて当院受診、入院となった。血液検査所見上ALT、ASTの上昇を認め、またIgM-HA抗体(-)、HBV-DNA(-)、HCV-RNA(-)、抗核抗体40倍、AMA(-)、抗LKM-1抗体x30(弱陽性)であった。肝生検所見上、慢性肝障害の急性増悪像を認め自己免疫性肝炎と診断した。ソルメドロール750mg+シクロスポリン100mgを開始後徐々に肝機能異常は改善した。抗LKM-1抗体陽性のいわゆる2型自己免疫性肝炎症例2例に加え、過去10年間に経験した当院における他の自己免疫性肝炎症例との比較検討,更に若干の文献的考察を加え報告する. |
索引用語 |
肝炎, 自己免疫性 |