セッション情報 ポスターセッション(消化器病学会)

肝臓-症例報告4

タイトル 消P-747:

診断に苦慮した顆粒球コロニー刺激因子(G-CSF)産生肝細胞癌の一例

演者 須賀 義文(神鋼病院・消化器内科)
共同演者 山田 元(神鋼病院・消化器内科), 光岡 彩佳(神鋼病院・消化器内科), 滝 正登(神鋼病院・消化器内科), 河原 史明(神鋼病院・消化器内科), 大西 勝博(神鋼病院・消化器内科), 東田 明博(神鋼病院・消化器内科), 千田 永理(神鋼病院・消化器内科), 芦田 兆(神鋼病院・消化器内科)
抄録 症例は76歳の男性。主訴は発熱と全身倦怠感。既往歴として、46歳時に胃潰瘍にて胃の部分切除を施行されている。また糖尿病を指摘されているが、特に治療は受けていない。平成22年5月初旬より全身倦怠感が出現し、5月13日に当院呼吸器内科を受診した。血液検査上、WBC 34500/μl、CRP 13.9mg/dlと高度の炎症を認めたため、抗生剤の内服で外来にて加療を行ったが改善せず、5月21日CTで肝膿瘍を疑われ当科に緊急入院となった。入院時に施行した造影CTで、肝S7に厚い壁構造を有し、早期層でdouble target signを呈する直径82mmのSOLを認めた。また超音波でも同部位に壁構造を有する乏血性のSOLを認め、画像上はやはり肝膿瘍が疑われた。肝炎ウイルスマーカー、腫瘍マーカーはともに陰性であった。同日、超音波ガイド下に穿刺、ドレナージチューブ留置を行った。内容液は淡血性で、用手的に約70mlを吸引した。排液からはアメーバ、細菌ともに検出されなかった。その後もWBCは30000台と高値で推移し、6月2日のCTでは軽度の増大を認めた。血清アメーバ抗体は100倍と微増であったが、同日よりメトロニダゾール(1500mg/日)の投与を開始した。6月8日ドレナージチューブを太く変更したが、6月16日のCTで更なるSOLの増大が認められた。内科的治療では改善を見込めず、排液中の組織片の病理検査で腫瘍壊死を疑う所見を認め、腫瘍が強く疑われたため、6月28日、肝右葉切除、横隔膜、右肺下葉合併切除術を行った。腫瘍は壊死を伴う低分化な肝細胞癌であり、G-CSFの免疫染色が陽性となった。G-CSF産生肝細胞癌の一例を経験したため、若干の文献的考察を加え報告する。
索引用語 G‐CSF, 肝細胞癌