セッション情報 一般演題

タイトル 152:

高度食道狭窄を来した頚部食道癌の術前評価にガイドワイヤー誘導下の細径内視鏡挿入が有用であった一例

演者 鶴丸 大介(九州大学 放射線科)
共同演者 宇都宮 尚(九州大学 放射線科), 松浦 秀司(九州大学 放射線科), 入江 裕之(九州大学 放射線科), 本田 浩(九州大学 放射線科), 江頭 明典(九州大学 消化器・総合外科), 森田 勝(九州大学 消化器・総合外科), 掛地 吉弘(九州大学 消化器・総合外科)
抄録 症例は70代、女性。嚥下困難を主訴に近医を受診し頚部食道癌と診断された。通過障害が高度であるため、先行して放射線化学療法が施行されたが、胃を含めた食道狭窄部より肛門側の評価ができていなかった。その後、手術適応の評価目的に当院入院となった。通過障害の程度を評価するためにイソビスト内服による上部消化管造影を施行したところ、頚部食道に著明な狭窄を認めたが、狭窄が高度であり胃の評価はできなかった。次に細径内視鏡XP260の挿入・観察を試みたが狭窄部より肛門側への通過は不可能であった。このため、まず細径内視鏡を狭窄部手前まで挿入し、鉗子孔よりガイドワイヤーを入れ直視下に狭窄部を通過させた。ガイドワイヤーを芯とし細径内視鏡を挿入、先進させることで狭窄部を通過することができた。その際の観察で胃体下部大彎に襞集中を伴った3型の進行癌を認め、生検にて低分化腺癌と診断された。食道癌については頚部食道摘出、遊離空腸再建、胃癌については幽門側胃切除術が施行された。食道癌による高度な食道狭窄を来した場合、内視鏡の通過が困難となることは少なくない。このような症例に対し、ガイドワイヤー誘導下の細径内視鏡挿入は、狭窄部より肛門側、特に胃の評価に有用と思われたので、文献的考察を加え報告する。
索引用語 食道狭窄, 細径内視鏡