セッション情報 ポスターセッション(消化器病学会)

肝臓-症例報告4

タイトル 消P-748:

急速に増大し、腫瘍破裂をきたした肝原発神経内分泌癌の1例

演者 小川 雅生(ベルランド総合病院・外科)
共同演者 山本 昌明(ベルランド総合病院・外科), 今川 敦夫(ベルランド総合病院・外科), 山崎 圭一(ベルランド総合病院・外科), 大場 一輝(ベルランド総合病院・外科), 川崎 誠康(ベルランド総合病院・外科), 伯耆 徳之(ベルランド総合病院・消化器内科), 安 辰一(ベルランド総合病院・消化器内科), 藤尾 長久(ベルランド総合病院・外科), 亀山 雅男(ベルランド総合病院・外科), 山内 道子(ベルランド総合病院・病理診断科)
抄録 症例は77歳、男性。表在性膀胱癌術後、当院泌尿器科にて経過観察中、肝腫瘍を指摘され当科紹介となった。血液検査上、肝障害度Aであり、腫瘍マーカーはPIVKA-IIのみ105mAU/mlと上昇していた。腹部造影CT像上、腫瘍は肝左葉に存在し、最大径8.5cmで辺縁が淡く濃染され、胆管細胞癌を疑い手術を予定していた。しかし術前、心窩部痛が出現し、再度腹部造影CT検査を施行したところ、腫瘍は最大径13.5cmと著明に増大し、腹水が出現していた。また血液検査上、著明な貧血も認めたため腫瘍破裂が疑われた。開腹すると腹腔内には血性腹水を約900ml認めた。腫瘍は肝左葉ほぼ全体を占めており、中肝静脈にまで及んでいたため、拡大肝左葉切除術を施行した。摘出標本にて腫瘍は弾性軟であり、割面は白色で分葉状であった。病理組織学検査上、N/C比の非常に高い未分化な腫瘍細胞が増殖しており、免疫組織学的検査では、chromogranin A一部陽性、synaptophysin一部陽性、CD56陽性であり神経内分泌癌と診断した。術後合併症なく退院するも、早期に再発を認めており、現在化学療法中である。肝原発の神経内分泌癌は非常にまれな疾患で予後不良とされている。今回われわれは、術前破裂を認めた肝原発神経内分泌癌の1例を経験したので、若干の文献的考察を加えて報告する。
索引用語 肝臓, 神経内分泌癌