セッション情報 ポスターセッション(消化器病学会)

肝臓-症例報告4

タイトル 消P-752:

肝細胞癌切除後の肝外再発例に対して放射線治療、Sorafenibを投与した2例

演者 中村 尚広(市立静岡病院・消化器内科)
共同演者 近藤 貴浩(市立静岡病院・消化器内科), 黒石 健吾(市立静岡病院・消化器内科), 武尾 真宏(市立静岡病院・消化器内科), 大野 和也(市立静岡病院・消化器内科), 濱村 啓介(市立静岡病院・消化器内科), 高橋 好朗(市立静岡病院・消化器内科), 田中 俊夫(市立静岡病院・消化器内科), 小柳津 竜樹(市立静岡病院・消化器内科), 森木 利昭(市立静岡病院・病理診断科)
抄録 【目的】肝細胞癌切除後の肝外再発例に対して放射線治療、Sorafenibの投与を行った2例の治療経過について報告する。
【症例1】67歳男性。C型肝炎、肝細胞癌に対しH19年7月肝左葉切除術施行(多結節癒合型31×30mm、中>低分化肝細胞癌、eg,fc+,fc-,inf+,sf+,s0,vp1,vv0,va0,b0,sm-,LF,T3N0M0 stageIII)。H20年3月残肝多発再発を認めH21年6月までに3度TACE(Cisplatin×2、Epirubicin×1)を施行したがPD。H21年10月Sorafenib導入後AFP減少、PIVKA-II増加。H22年5月PDにてSorafenib中止しPIVKA-IIは低下。6月から9月まで3度Miriplatinを用いた治療(TACI×1、TACE×2)を行い肝内病変はPR。10月背部痛が出現し胸椎(Th3)転移と診断。12月に放射線照射(37.5Gy)を行い、終了直後よりSorafenibを再投与。AFPは低下、PIVKA-II上昇し現在継続中。
【症例2】74歳男性。C型肝炎、肝細胞癌に対してH22年9月肝左葉切除施行(多結節癒合型 55×40×30mm、中>低分化肝細胞癌、ig,fc-,sf-,s0,vp1,vv1,va0,b1,sm-,f1,pT3,pNXM0,stageIII)。同時に腎細胞癌も認め11月左腎部分切除術施行(G2>3,chromophobe cell carcinoma、pT1a,IHFβ,v(-)?,pNX)。その後再発なし。肝内再発はなかったが腰痛ありH23年2月MRIにて胸椎(Th12)腰椎(L2)転移と診断。生検で肝細胞癌の転移と判明し放射線照射(30Gy)を行い、終了直後よりSorafenib投与し現在も継続中。
【考案】肝細胞癌切除後の肝外再発2例に対して放射線治療、Sorafenibの投与を行った。PIVKA-II上昇が進行肝細胞癌に対するSorafenibの治療効果予測因子になりうるとの報告がみられる。症例1ではMiriplatinによるTACI/TACEは肝内病変は効果を認めたが肝外転移が出現した。症例1、2とも中>低分化肝細胞癌、脈管侵襲を認め術後肝外転移を来たした。Sorafenibは肝外転移を有する場合には第一選択になりうるため、早期の使用が予後を延長する可能性があると考えられた。
索引用語 肝細胞癌, Sorafenib