セッション情報 ポスターセッション(消化器病学会)

肝臓-症例報告5

タイトル 消P-755:

肝悪性リンパ腫の4例の検討

演者 富永 顕太郎(県立がんセンター新潟病院・内科)
共同演者 加藤 俊幸(県立がんセンター新潟病院・内科), 栗田 聡(県立がんセンター新潟病院・内科), 佐々木 俊哉(県立がんセンター新潟病院・内科), 船越 和博(県立がんセンター新潟病院・内科), 本山 展隆(県立がんセンター新潟病院・内科)
抄録 【目的】肝悪性リンパ腫は画像所見や肝生検などから診断できるが、肝原発は稀であり、肝転移や浸潤との鑑別が常に問題となるため、肝障害や肝腫瘍から診断された4例を検討した。
【症例】症例1:74歳、男性。胃癌の術後7年目に貧血と臍部痛が出現しイレウスで入院。Hb 7.7、IL-2R 1,273。肝CTで肝左葉に結節型のLDAを認め、肝生検でDLBCLと診断された。肝原発、CSIVと考え、高齢者THP-COPを8コース行いCRとなった。加療終了2ヶ月後にAMLを発症し死亡したが、剖検でリンパ腫の再発は認められなかった。
症例2:71歳、男性。食欲低下と発熱あり受診。IL-2R 22,860。肝障害とともにCTで腫大した肝全体にびまん性のLDAを認めた。Pltは2.2万で血球貪食症候群を合併したため肝生検はできなかったが、骨髄穿刺でDLBCLと確診、CSIVB。パルス療法とVADE療法を行ったが、発症1か月で死亡した。
症例3:71歳、女性。高血圧、糖尿病、関節リウマチの治療中に腰痛と心窩部痛あり、肝障害と汎白血球減少を認め、Plt 1.6万、LDH 7,319、IL-2R 4,000。肝全体に造影効果のないLDAが多発。多発骨転移を認め、骨髄穿刺でDLBCLと診断され、CSIV A。VADE療法の後にR-CHOP療法を施行したが、6ヶ月後に死亡した。
症例4:80歳、女性。糖尿病の治療中に発汗と動悸ありIL-2R 3,600。肝CTでは明らかでなかったが、肝MRIではびまん性小結節を認め、肝生検で確診された。
【結語】結節形成型1例とびまん浸潤型3例を検討した。平均年齢74歳で、男女比は1:1。ウイルス肝炎の合併はなかった。肝病変から診断されても進展は早く、治療後の予後も不良である。
索引用語 肝悪性リンパ腫, 肝腫瘍