セッション情報 | ポスターセッション(消化器病学会)肝臓-症例報告6 |
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タイトル | 消P-764:肝好酸性肉芽腫の一例 |
演者 | 森脇 英一朗(兵庫医大・内科(肝・胆・膵科)) |
共同演者 | 岩井 孝史(兵庫医大・内科(肝・胆・膵科)), 高嶋 智之(兵庫医大・内科(肝・胆・膵科)), 坂井 良行(兵庫医大・内科(肝・胆・膵科)), 会澤 信弘(兵庫医大・内科(肝・胆・膵科)), 池田 直人(兵庫医大・内科(肝・胆・膵科)), 田中 弘教(兵庫医大・内科(肝・胆・膵科)), 岩田 恵典(兵庫医大・内科(肝・胆・膵科)), 榎本 平之(兵庫医大・内科(肝・胆・膵科)), 斎藤 正紀(兵庫医大・内科(肝・胆・膵科)), 今西 宏安(兵庫医大・内科(肝・胆・膵科)), 下村 壯治(兵庫医大・内科(肝・胆・膵科)), 飯島 尋子(兵庫医大・内科(肝・胆・膵科)), 中島 収(久留米大・病理学), 廣田 誠一(兵庫医大・病理学(病院病理部門)), 西口 修平(兵庫医大・内科(肝・胆・膵科)) |
抄録 | 【はじめに】肝好酸球肉芽腫は肝内の非腫瘍性腫瘤で、著明な好酸球浸潤を伴う肉芽腫である。原因の多くは内臓幼虫移行症による肝内の寄生虫と考えられているが、比較的稀な疾患である。今回我々は肝腫瘍生検にて好酸球性肉芽腫と診断した一例を経験したので報告する。【症例】77歳 女性。【既往歴】H16年脳動脈瘤未破裂に対しクリッピング術。【現病歴】平成10年頃より近医にて高血圧、糖尿病、脂質異常症のため通院していた。平成22年9月に血液検査にてCA19-9が軽度高値であり、腹部造影CT施行し、肝腫瘤性病変を認めたため、精査目的にて当院紹介受診。腹部EOB造影MRIにてS5/8に15mmの結節を認め、T1WIで低信号、T2WIで高信号、DWIで高信号、造影効果は認めず、肝細胞相で信号低下を認めた。腹部エコーのBモードで15mm大の境界明瞭な低エコー結節を認め、造影超音波では、動脈優位相ではhypervascular、門脈優位相でhypovascular、kupffer相でdefectであった。HBV、HCVのウィルスマーカーは陰性、AFP、PIVKA-IIは正常値であった。末梢血液像で好酸球20.1%と好酸球増多を認めた。肝細胞癌、転移性肝腫瘍の可能性も考えられ、確定診断の為H22年12月7日に腫瘍生検を施行した。病理組織では、著明な好酸球浸潤を伴い一部で凝固壊死に陥りかけた部位を認め、少数だがシャルコ-ライデン結晶が散見し、肝好酸球性肉芽腫と診断した。明らかな寄生虫感染の契機もなく、血清診断でも病因ははっきりせず、自覚症状に乏しいため、現在外来follow中である。【結語】肝好酸球性肉芽腫の一例を経験した。好酸球増多を伴う肝腫瘍では本疾患の可能性を考える必要があると考えられ、報告した。 |
索引用語 | 肝好酸球肉芽腫, 肝腫瘍 |